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ー未知ー40

 そこで俺は軽く息を吐く。  なんて言っても、今の雄介の言葉で一気に体から力をが抜けてしまったからだ。 あんなに優しい言葉を掛けられたら、そりゃ体から力というのは抜けてしまうもんだろう。 「じゃあ、もう、俺の方は一人でシなくてもいいんだな?」  そう言いながら俺の方は四つん這いの状態で雄介の方へと近付く。 「ホンマ、望の場合のはマグロ状態でええんやって……それで、俺が満足出来るんやからなぁ……」  そう笑顔で言って来てくれる雄介っていうのは本当に落ち着く。 「そうだったのな……」 「そういう事やで……せやから、今日も望は俺の下な……」 「え? ……あ」  と思った時には四つん這いの状態から気付いた時にはまた天井の方へと視線を向けられていた俺。 そして雄介の優しいような切ない顔も入って来たようにも思える。 「何で、お前切ないような顔をしてんだよ……」  俺はハッキリとは雄介の顔が見えてないが、そう感じ取ったのだから、そう口にしてみる。 「もし、望にそう俺の顔が見えておるんやったら……それは、今さっきの望の行動が切なく見えておったっていうせいやと思うわぁ……」 「……ん?」  その雄介の言葉に俺の方は首を傾げるのだ。 そう今の雄介の言葉の意味が分からなかったからなのかもしれない。 「……切なく?!」  俺は雄介の肩に両腕を回しながら言うのだった。 「なんかなぁ? 凄い、望が一生懸命なのは伝わって来たんやけど……でも、何か気持ち良く無さそうに見えてなぁ……せやから、俺からしてみたら、それが逆に切なく見えたって言うんかな?」 「あ……」  俺の今さっきの行動が完全に雄介には分かっていたという事だろう。 だから雄介的に『限界』だったのかもしれない。 「ゴメン……」 「何で、そこで、望が謝る必要があるん? 別に、俺の方は、気にしてへんねんけどなぁ。 だって、望は俺の為に一生懸命一人でヤろうとしてくれてたんやし。 ただ望自身が気持ち良くなれてないっていう事が納得出来なかった。 ってさっきも言ったやろ? だからな、もう、俺に任せてくれたらええ訳やしな」  今の雄介の言葉だけで俺の方は、雄介と体を重ねなくても満足してしまうそうだ。 本当に雄介って心から優しいのであろう。 だからなのかいつまでも俺の心ってうのは雄介にときめいてしまうのかもしれない。  そんな雄介の言葉に俺の方は甘く蕩けてしまったような表情をすると、雄介の方から勝手に唇を重ねてくる。  甘い言葉の後からだからなのか、いつもより唇が甘く感じてしまっているのは気のせいであろうか。 「ふぅ……ん……ふぁあ……んん」  こう何度も何度も角度を変えて甘く軽く唇を重ねて来る雄介。  それだけでも俺のムスコさんっていうのは勃ってきてしまっているようだ。 それだけ感じているという事だろう。

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