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ー未知ー60

 だけどこうやってゆっくりとやるのも、そろそろ物足りなさを感じて来るもんだ。  いやさっきからそうなのだけど、だけど、本当に俺の方はもどかし過ぎて、どうしたらいいのか? っていうのが分からなくなって来る。  こういう行為をしているのだから、素直に雄介に求めたらいいのかもしれないのだけど、俺が自分からそう言えたなら苦労はしないっていうもんだろう。  俺の方だってさっきから自分に何回も問い掛けてみるものの、心の方はなかなか素直にはなれない。 と言った方がいいのかもしれない。  でも、自分でも雄介と付き合った頃に比べれば、かなり人間に対して素直にとうのか、雄介には素直になってきたように思える。  いやそこは雄介と約束したからであろう。  俺達は雄介が医学部に入る前に二人共約束をしていた。  そう雄介の方は、決断力を付けるという事と、俺の方は素直になるという事をだ。  だからなのか、雄介は医者になってからは本当に俺からしてみたら一人で任せられるようにもなったし、俺の方は本当に雄介に対しては大分素直になれたようにも思える。  もし未だに俺が素直になってなければ、こういう行為の時でさえ、もっと抵抗してしまっているだろう。 だけど今は雄介とは恋人としては長いし、もう直ぐ結婚だって控えているのだから、例え、雄介が素直じゃない俺に慣れていたとしても、そういう約束をしたのだから俺だって雄介との約束事は守る。  きっと俺が今素直じゃなかったら、雄介が成すこと全て拒否していただろう。 でもそれじゃあ、こういう行為だって成り立たなくなる。  それでは恋人として意味が無くなってしまうのではないだろうか。  いや確かにこういう行為に依存しなくとも恋人は恋人で居られるのかもしれないのだけど、今の時代、逆に言えば、そういう行為をしないカップルなんて滅多な事ではいないだろう。  その昔は結婚するまで、そういう行為はしない。 というのはあったのかもしれないのだけど。  いつの間にやら時代というのは変わってしまっていたのだから。  確かにこういう行為をしなくともカップルとして居られる。 だけど人間なのだから好きな人と体を重ねたいと思うのだから。  こう俺の中で色々と考え事をしていると、いきなり体がビクン! としたのが分かった。 「ん! ぁあ! ん?」  俺はゆっくりと瞳を開け、雄介の方へと視線を向ける。  そう今までゆっくりとやってきていた雄介だったのだが、それに満足したのか、やっと俺が触れて来て欲しい部分に触れて来てくれたようだ。  だから体がいきなり跳ねたのであろう。

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