それから俺はひと呼吸すると、 「心配すんな……大丈夫だからさ……」 　と本気で雄介の事を見つめる。　これでやっと雄介に俺の気持ちが伝わっただろう。 「ほなな……」 　と笑顔で返してくれたくらいなのだから。 　それからは雄介のモノが俺の後ろの蕾の入口部分を擦り始める。 　確かに、ローションでソコはぬるぬるの状態でもあるのだけど、雄介の先端部分からも透明な液体というのは出て来ているのか、ヌルッとという感触が皮膚から神経へと伝わって俺の脳内へと運んでくるのが分かった。 　雄介はソコでモノの先端部分で数回往復した後、気持ち的に腰に力を入れて、ちょっとずつ俺の中へとかたく熱くなったモノを挿れて来るのだ。 　相変わらず、俺はこう挿れる瞬間っていうのは慣れてなくて、思わず体に力が入ってしまう。 　そう人間って、違和感や痛い思いをする時というのは、思わず力が入ってしまうもんだろう。 「スマン……もう少しだけ我慢してな……」 　雄介の方も何でか気持ち的に苦しそうに言って来るのだ。 　だが、雄介の場合には自分の気持ちを隠してまで心配そうに俺に聞いて来ている。 　本当に雄介という人物は自分の事より他人の方を優先にしてしまうのであろう。 　本当にその心配そうな声と優しい声に俺の方は体の中から溶けてしまいそうだ。 　もう俺の方はとろけたような表情で雄介の事を見つめてしまっていたのであろう。 　そう雄介の方はそんな俺のことを見つめて、 「ホンマ、そんな表情を見ておったら、俺の方までとろけてしまいそうやわぁ……」 　と言ったくらいなのだから。 　そう言いながらも雄介は少しずつ俺の中へと入って来る。 　きっと雄介の場合には、俺に痛みが分からないように会話をしているのかもしれない。 　人間って、何かに集中していると他のことには目がいかないものなのだから。 　そしてさりげなく俺のモノを手で包み、扱き始める。 「ぁ……ん！」 　俺の方は思わず、そんな切羽詰まったような声が出てしまっていた。 　だって男にとって、そこは本当に弱い部分で、自分で扱いても気持ちいいのに更に人に扱いて貰ったら、余計に気持ちいいに決まっているところでもある。 　そんな俺に微笑む雄介。 　そこは雄介からしてみたら、安心出来たということなのであろう。　雄介は本当に優しい性格で、俺が嫌なことは絶対しないし、毎回、こういう行為で挿れる時には俺が痛みで顔を歪ませるのを知っているからなのか、痛くないように努力してくれるのが雄介だ。　だからこう俺の顔がとろけてしまっているような表情をしている方が安心なのであろう。