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ー未知ー99

 力が抜けてしまったと同時に、俺の方から雄介の唇へと唇を重ねる。  一瞬雄介は目をパチクリとさせてしまっていたけど、その表情は直ぐにいつもの雄介になって、 「ホンマ、俺の恋人になってくれて、ありがとうな……ホンマに俺の方は望と恋人同士になって良かったと思ってるしな」  そう言ってギュッと体を抱き締めて来る雄介。 「俺もだから……本気で俺は雄介の事が好きなんだからな……」  こう恥ずかしがることもなく、相手に好きという気持ちを伝えることが出来たのは俺からしてみたら初めてなのかもしれない。  だって俺は小さい頃から両親が家にいなかった。 だから親にも好きだっていう気持ちを言った事がなかったのだから、きっと簡単に好きだってことを言うことが出来なかったのかもしれない。 小さい頃から「好き」っていう言葉を言い慣れているのなら、きっと雄介のように簡単に口にする事が出来るのであろう。 何だかそんな気がして来た。  再び雄介はその俺の言葉で、俺に向けて微笑むと、腰を動かして来るのだ。  縦横、本当に縦横無尽に、先程より益々雄介腰の動きは激しくなってくる。  さっきまで俺のモノは気持ち的に萎え始めて来ていたのだけど、雄介の腰の動きのおかげで段々と硬さが増して来たようにも思えるのは気のせいであろうか。  俺の方も雄介の腰の動きに合わせて無意識のうちに腰を動かし始めたのだけど、なかなか雄介の腰の動きに合う訳がなかった。 「望は動かなくてもええねんけどな……?」 「え? あ、ぅん……分かってるんだけど……」  とその先のことは恥ずかしくて言葉に出来なかった俺なのだけど、どうやら俺の顔を見て、恥ずかしくて言えないと読み取ったのであろうか、雄介は、 「あ、そういう事な……」  と独り言のように言い、一人納得したようにも思える。  その間にも腰を動かし続ける雄介。  そうやって部屋内には皮膚と皮膚が打つかるようなバチっ! バチっ! という音と後ろの蕾の中ではグチュグチュという音が響き始める。  いよいよ聴覚をもそういう気分になってきたようにも思える。 「いあぁん! んん! ちょ、ぁあああん!」  雄介は俺の体から手を離して、その手をベッドへの上へと置き、支え、更に腰を激しく上下、左右、前後と本当に予想がしない動きを始めるのだ。  雄介が手を離したことによって、中に入っている雄介のモノが更に奥へと入って来ているようにも思える。 「ぁん! ソコはっ!」  苦しそうな気持ち良さそうな俺の声に、雄介の方は気持ち的にニヤッとしたような気がしたのは気のせいであろうか。  やはりそこは男なのかもしれない。  相手がもっと気持ち良くなったなら、やはり嬉しいのだから。

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