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ー未知ー107
「あ、ああ……そうだなぁ……!!」
と慌てた感じで、雄介の方が動き出してくれて、お風呂場へと向かうのだった。
しかし、一体、今日はもう何時になっていたのであろう。 俺はベッドサイドにあるミニテーブルにスマホを置いておいたのを思い出し、スマホを手にする。
すると、今の時間は夜明け前の三時だ。
むしろ、こんなにもゆっくりとした時間を過ごしたのは何年振りなんだろうか。
この後だって、お風呂に入って、寝て起きてからだって何も無い時間。
流石にホテルを出る時間があるから、起きたら直ぐに出なければならないのだけど、明日というのか今日という日は本当に何も無い時間でもある。
だけど、そんな時間を過ごすのは後少しだけだろう。
そう、俺達にはまだやらなければならない事が沢山あるのだから。
雄介のお姉さんである美里さんに、代理出産の事を真剣に頼まないとならないのだし、婚約指輪だってまだ完璧には出来てないのだから取りに行かないといけないのだし、俺だって少し落ち着いたら働かないとならないのだし、本当に今はまだ束の間の休息状態なのだから。
これから先のことは俺からしてみたら分からない。 いや、人類みんな未来の事については分からない事だろう。 でも、未来の事が分かってしまったら、それはそれで人生が楽しくなくなってしまうのかもしれない。 だから、人間っていうのはその日一日を一生懸命生きるのだと思う。
そんな言葉を考えていると、雄介が俺の事を呼んでいた。
「望ー、お風呂出来たから、一緒にお風呂に入ろうやぁー」
「え? あ、ああ……」
とは返事したものの、なかなか腰を上げられないでいる俺。
雄介とお風呂に入るのは全然構わないのだけど、素面の状態で雄介に体を洗われるっていうのが、どうも恥ずかしい。 自分で洗うのでもいいのだけど、流石に雄介の前でとか、例え雄介が見てなくても自分の指を中に入れるのは少し抵抗がある。 それに中を洗うのは雄介の方が上手いっていうのか、俺の場合には自分でやってしまうと手を抜いてしまうのだから、何だか残ってしまっている感じがあって気持ち悪い。
なら、雄介にやってもらった方がいいだろう。
そう考えた俺は、雄介が呼んでるお風呂場へと向かうのだ。
俺がお風呂場へと向かうと、浴槽にお湯が張られていて、既に半分位お湯が入っていたのである。
「お! 来てくれたんか?」
その反応は、もしかしたら俺が来てくれないのではないかと思っていたんじゃないんだろうか。
「え? あ、まぁ……」
未だに素面の状態でまともに雄介の姿を見る事は苦手だ。
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