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ー未知ー120
俺達はそう決めると、今度は和菓子に絞って探し始める。
本当にデパートの地下にある食品売り場というのは、何でも揃っている。 和菓子から洋菓子まであって、この中から選ぶのは本当に大変なのだから、とりあえず和菓子に絞ったらちょっとは選ぶ物が減るということだろう。
今の時期だったら、桜餅とかもある。 後、和菓子の定番と言えば、どら焼きだろうか。
だけど食べながらとなると、ちょっと厳しいところなのかもしれない。
しかし、お客様を家に呼ぶなんてことは初めてなのだから、まさかこんなにも大変なことだとは思ってもみなかった。
いつも友達ばかり呼んでいたのだから。
友達というのは本当に何も気を遣わないでワイワイとやっているもんだ。 だからお客様と友達の違いではこうも違うのであろう。
いや、これが普通に美里さんを呼ぶのなら、ここまでする必要はないのかもしれないのだけど、今回に限っては、本当に俺達からしてみたら真面目な話をするからなのかもしれない。
流石に真剣な話をするのに、お茶菓子無しではとはいかないだろう。 だから買い物に来たのだから。
俺はある店の前で足を止める。
和菓子で作られた、一口サイズのお花や和をイメージした物がデザインされている目を止めたからだ。
「これで、いいんじゃねぇのか?」
そう、雄介に提案してみる俺。
「あ、ああ! それ、いいのかもしれへんなぁ……一口サイズなら、話してても一瞬で食えるしな」
「だろ?」
その、雄介のキラキラしたような瞳に、とりあえずお茶菓子の方は決まったようにも思える。
後はお茶だろうか。
俺なんかは珈琲派だから、どのお茶が美味しいのかなんていうのは分からない。
「お前、美味しいお茶って分かってるのか?」
その言葉に、雄介の方は首を傾げる。
「俺は珈琲派やからなぁ……? お茶っていうのは分からへんかもしれへんなぁ?」
「んじゃあ、そこは、適当な感じでいいか?」
「まぁ、そこは、仕方ないよな? それに、お茶やったら、何でも美味しそうやしな……」
「ま、そうだよなぁ……」
そんな俺達の会話から、二人ともお茶に関しては得意ではないらしく、そこは適当に選ぶのだが、
「な、お茶入れる時って、急須なのか?」
と俺は雄介に聞いてみる。
そう、お茶屋の店先には急須が売っていたからだ。
流石に家にはお茶には縁が無いのだから、急須なんて物はないのだから。
「あー、確かに……それ、必要なんかもしれへんなぁ……? 昔、親達がお茶飲む時にテーブルの上で使ってたもんやしなぁ……」
とどうやら、雄介の方は記憶の奥底にある物を思い出しながら言っているようだ。
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