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ー未知ー124
それからスーパーへと入ると、雄介は昔一緒に買い物した時のように、色々な品物をしっかりと見て、選び始める。
昔から一緒にスーパーに行った時も、そうやって品物をしっかりと選んで、無駄な買い物はしてなかったようにも思える。
本当に雄介を見ていると買い物が楽しくなってくるように思えてくるのは気のせいであろうか。
そんな雄介に俺の方はクスクスとしていると、雄介が気付かない訳もなく、
「ちょっと、何で、俺見て笑ってるん?」
「え? あ、ああ……雄介って、今も昔も変わらないんだなって思ってよ」
「……へ? ん?」
今まで野菜コーナーで真剣に品物を選んでいた雄介だったのだが、その俺の言葉に屈ませていた体を上げ、視線を天井へと向けてしまった。
何だかその行動にもクスクスとしてしまう俺。
そう、雄介っていう人物は、身長とかあるのに、行動というのは本当に可愛いからだ。 身長とかあるのにっていうのはおかしいのだけど、それでもそんな仕草が可愛いっていうところであろうか。
「だってさ、昔一緒に買い物に行った時も、そうやって品物を真剣に選んでいただろ?」
「え? あ、まぁ……そうやけど……?」
どうやらまだ雄介の中では納得してないようにも思える。
「ま、そこは、俺の中で留めておくってことでもいいんだけどなぁ……」
そう言って俺の方は歩き始めるのだ。
「それに、そのことについて深く考える必要はねぇってことなんだよ……」
「あ、へ? あ、ああ……」
そう言うと雄介の方は、変に納得してくれたのか、それとも雄介の場合、考えないようにしてくれたのかは分からないのだけど再び雄介は品物選びを始めるのだった。
そして俺たちは買い物を済ませ、スーパーを後にする。
それからは家へと向かい、雄介はキッチンへと立ち、俺の方はキッチンの前にあるカウンターテーブルに座りながら、テレビの方へと視線を向けていた。
そこに入れば、雄介とも会話も出来るし、テレビも見れるからだ。
今の時間帯っていうのは、どのチャンネルでもニュースの時間で、どのチャンネルでも似たり寄ったりの内容でもある。
その日にあった事件や事故のニュースもやっていた。
今日のニュースの内容で、気になった記事を読んでみる。
『今日の正午ごろ、春坂市にある小学校の給食室から出火し、重傷者が二人』
という記事だ。
その記事に思わず口にしてしまう俺。
「え? 春坂で火事があったんだってよ……!」
「……へ? 春坂でか?! ほな、俺達も行かなぁー……」
と突然、料理していた手を止めて、何でか外に出ようとする雄介。
「おい……ちょっと、待てよ……」
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