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ー未知ー125
と俺の方は雄介のことを止めるのだ。
「もう、俺たちは行かなくてもいいんだからよ。 それに、俺たちはまだ仕事はしてねえの……」
「あ、そうやったわぁ……」
雄介の方は天井へと視線を向けて、『忘れてた……』と付け足し、体を止める。
「……だと思ったぜ」
そこで俺の方は軽く息を吐く。
そういうところ、本当に雄介は真面目なところでもあるからだ。
本当に仕事に関しては真面目なのであろう。 寧ろ、雄介の場合にはもう使命として思っているからこそ、そういうことがあると行動に移してしまうのかもしれない。
「ま、俺は仕事に真剣なお前のことが好きだけどな……」
そう言いながら、俺は雄介の体をキッチンの方へと戻すのだ。
「それに、火事があったのは、正午ごろ。 だから、もうその事故に関してはとっくに終わってるんだからなぁ」
「あ、ああ……そういうことかぁ。 終わったことやったんかいなぁ……」
「そうなんだよ……ちゃんと、ニュース聞いてろよ」
「ああ、すまんかった……俺が早とちりしてもうただけやんなぁ……」
後頭部を掻きながら言う姿もなかなか可愛い雄介。
雄介のことキッチンへと戻すと、今度は部屋の中に肉を炒める音が聞こえてくる。 それとほぼ同時だろうか、肉の匂いも部屋中に広がった。
しかし、こういう匂いっていうのは、今も昔も変わらない。
今の時代、色々な物が便利に使えるようになってきていて、色々と周りが変わってきている中で、料理は今も昔も変わらないからだ。
夕方の時間になるとどこからともなく外を歩いていると色々な匂いがしてくる。 だからそこは本当に昔と今とでは変わらないところなのであろう。
暫くすると、雄介の方は料理ができたようで、
「でーきた!」
といつもの笑顔で言うのだ。
「ほな、どうする? ご飯食べた後に風呂にするか?」
「あ、ああ……じゃあ、雄介がテーブルに料理並べている間に、俺が風呂やってくるな……」
「あ、ああ……ほな、お願いな……」
そう言って俺の方はお風呂場へと向かうのだ。
ここのお風呂というのは、大人二人でも悠々と座れるくらいの浴槽にしてある。
この家自体、俺の親父が設計したんだか、携わってきたのだが、分からないのだけど、俺たちが住む前提で作ってあるからなのか、そういうふうにゆったりとできるお風呂場になっていた。
俺は浴槽を洗ってお湯を溜め始める。 それにこの家は最新式のシステムが揃っていて、ある程度お湯が溜まればお湯が止まるようにもなっている。
俺はそれを済ませると再びリビングへと戻るのだ。
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