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ー未知ー129
「あ、ああ……うん……」
そう、俺の方は軽く雄介の言葉に答えた。
そして、俺の方もご飯を食べ終えると、食器を片付けにキッチンへと向かった。
しかし、さっきの会話で若干気まずいというか、会話が途切れてしまった俺たち。
これが和也だったら、凄く自然に違う会話に持っていくところなんだろうけど、雄介の場合にはそこのところは全然器用ではないような気がする。
今、この間が珍しく空気が悪いような気がするのは気のせいであろうか。
いつか感じた、喧嘩した後の雰囲気に似ているような気がする。
しかし、今の俺たちはここで喧嘩をしている場合ではない。
明日は今まで以上に大事な日であるのだから。
だからなのか、俺の方はこの空気をどうにかしようと頭の中で色々と巡らせてみる。
今のこの状況を打破するためなら、本当に下らないことでもいい。 今は本当にそんな状況だ。
「あー……あのさ……」
そう、急に俺の方は雄介の方へと視線を向けてみたものの、未だに一切何も浮かんでない状態でもある。
そして、そんな訳のわからない状況だからなのか、やたらと鼓動が早くなってしまっている。
「ん?」
と、雄介の方はその俺の言葉に、何もなかったかのように振り向いて来る。
そこは雄介らしいと言えば雄介らしいのかもしれない。
そう、今さっきの会話というのは雄介と喧嘩したという訳ではない。 ただただ会話が止まってしまったというだけなのだから。 そう自分に言い聞かせて、どうにか言葉を探してみるのだが、どうやら自分の方がさっきの会話がまだ引っかかっているのか動悸が止まらないようだ。
本当、そういうところ自分でも苦手なんだろう。 と思う。 そして何でか訳がわからなくなっていた俺は、
「あー、そのな……今日は、もう一回シたいかな?」
と、本当に何も関係の無いような言葉を発していたのである。
しかも、視線を天井へと向けていると、そんな俺の様子に雄介の方は気付いてくれたようで、
「望がそんな事言うなんて珍しいのな……そんなに、俺のことを繋いでおかんくても大丈夫やって……。 本当に俺はそんなに望と体の繋がりがなくても、今の俺は望とは心と繋がっておれば十分やしな」
その雄介の言葉に、俺の方は目を見開いた。
そう、自分が思ってないような言葉が返ってきたからなのかもしれない。
再び、俺の鼓動が早くなってくる。
こうも、雄介っていう人間は俺の心を弾ませてくれる人物なのであろうか。
いい意味で、いつか心臓が壊れてしまいそうだ。
思わず、洋服の上から心臓の部分を掴んでしまっている俺。
本当、雄介には無理だ……。
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