本当、雄介の言葉に今にも倒れそうになってしまっている俺。 　神様、本当にありがとう。 　十年位前はある意味ずっと孤独の中にいたような気がする。　だけどその中で和也や雄介を俺の人生の中に一緒に歩ませてくれてのだから。 「ほな、そろそろ、風呂に入らへんか？」 「え？　あ、ああ……そうだな……」 　俺の方はずっと何かを考えていたのだけど、その雄介の言葉で、やっと視線を落とすことが出来た。 　やっとそこから動けるようになった俺。 　食器を置いてからの俺っていうのはずっと時が止まってしまったかのようだった。 　だけどとりあえず雄介の言葉のおかげで急に動けるようになったような気がする。 　そして俺は今は住居化している地下室へと向かうと、パジャマを持ってお風呂場へと向かうのだ。 　そうこの家の二階というのは、朔望や歩夢達が使っているのだから、そこはもう俺達の居場所ではない。　ただ今は住む場所が決まるまでの仮の場所になっている家なのだから、とりあえず、俺と雄介の荷物というのは地下室に置いてあるということだ。 　もう流石に雄介とお風呂に入るのは慣れた。 　雄介とは十年以上も一緒にいて、その中でもう何回も何十回も一緒にお風呂に入っているのだから。　もう今更恥ずかしがることではないからだ。 　雄介の方も着替えを持ってお風呂場へと来る。 　そう今日は珍しく、俺の方が先に動いていたのだから、先にお風呂場へと来ていた。 　俺が脱衣所で洋服を脱いでいると、脱衣所へと入ってきた雄介。 「あー、もう、服脱いでおったんかぁ？」 　と何でか雄介の方が気まずそうな感じで、しかも視線を俺の方へと向けないようになのか天井の方へと向けてしまっていたのだから。 「あ、ああ……」 　そう俺の方はその雄介の言葉に返事をするのだ。 「あ、スマンなぁ……そんな時に来てもうて……」 　本当に申し訳無さそうに言って来る雄介に、俺の方は、 「あ、そのなぁ……もう、そこのところは別に気にするところじゃねぇだろ？　だってさ、俺達っていうのは、夫夫になる訳だし、今までだってずっと一緒に風呂に入って来たんだしな。　全くそこについては遠慮するところじゃねんじゃねぇのか？」 「え？　あ、ああ……そうやったな。　俺の方が後から来たもんやから、なんか、そこに、動揺してもうたっていうんかな？」 　その言葉にクスリとしてしまったのは俺の方だ。 　そういうところ、本当に雄介の可愛いところなのかもしれない。 　だから雄介という人間っていうのは憎めないのであろう。 　そして雄介の方もそれをキッカケに堂々と服を脱ぎ始めるのだった。