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ー未知ー133
少し前まで雄介とはここまで深い話をしてきてなかったと思う。 いや俺が今まで拒否し続けてきたのだから、全くもってこういう話をすることがなかったという方が正解なのかもしれない。
そう今の俺っていうのは、雄介とは結婚すると決めたのだから、雄介には心の底から自分の思いを話さないととも思っているのだけど、これだけ長く俺達の方はいるのだから、俺はもう雄介のことを信じているからこそ話せるようになって来た。 という方が正解だということだろう。
素直になるって、何だか開放された気分になってくる。
今まで心の中にしまっておくだけっていうのも悪くはなかったけど、雄介は俺の言葉だったら、受け止めてくれるというのが分かっているからこそ、今の俺は雄介に色々と話せるということだろう。
「あー! 今の俺はホンマ幸せやわぁー!」
そう急に両腕を上げて気持ち的に大声で風呂内に声を響かせる雄介。
一瞬、俺はその声に吃驚しながらも、そんな雄介に微笑むのだ。
そう雄介の言う通り、本当に今の俺達っていうのは幸せなのだから。
幸せな時に幸せと言えなくていつそれを言うのであろうか。
何だか今日の俺っていうのは、それ以上に幸せを求めたくなってなのか、雄介へと近付くと、雄介の頬を両手で包み、唇を重ねる。
するといきなりだったからなのか雄介の方は瞳を閉じず、目を見開いたまま俺からのキスを受け止めていたのだから。 確かにいきなりだったのだから瞳を閉じてる暇っていうのはなかったのかもしれないのだけど、まだ雄介っていうのは俺からのキスに慣れていないということなのかもしれない。
「なんだよー。 まだ、俺からのキスに慣れてないのかよー」
そう半分ふざけながら頬を膨らませてまで言う俺。
「あ、いや……そのな……」
そうやって俺から視線を逸らしてまで言う雄介。 きっと俺の今の言葉が図星だったからこそ、俺から視線を離してしまったというのが分かる。 そこに俺の方はクスクスとすると、
「もう! いい加減慣れろよ……」
そうふざけて言うと、雄介の方は、もう勘弁したかのように、両手を合わせて、
「スイマセンでした……申し訳ございませんでした……」
そう頭を下げてふざけたように言ってくるのだ。
そんな姿さえも今は笑いたくなってきてしまう。
雄介という人間は昔からこんな感じだ。 それに俺の方が完全にふざけているのが分かっているからこそ、余計に雄介の方もノってきているのであろう。
だけどこうしてふざけていられるのも今のうちなのであろう。 もう明日にはある意味、決戦みたいなのが控えているのだから。
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