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ー未知ー150

「ゆっくりと息を吐いて下さいねぇ……」  そう早速一応お医者さんゴッコを始めたようだ。  とりあえず雄介の指示通りにそこは素直に息を吐き始める俺。  そこへゆっくりと細いチューブみたいなのが俺の後ろの蕾へと入って来るのだ。  しかしいつもそれ以上のモノを中へと入れてるからなのか、然程圧迫感みたいなのは感じないように思える。  そのチューブはゆっくりと俺の中へと入って来るのだ。  本当に雄介っていうにのは、そういう事もゆっくりで丁寧に思える。 きっと痛くない理由はそれも関係しているのであろう。 「先ずはココが望の気持ちええところやねんやろ? ここを押すと……」  とそこまで雄介は言うと、チューブの先を使って、ツンツンと中で気持ちいいポイントを押してくるのだ。 いやそれもなのだけど、今気持ち的に振動みたいなのが来たような気がする。 「ちょ、え?」  それと同時に俺の方は思わず雄介の方へと視線を向けてしまっていた。 「ん? コレか? そりゃ、ただの検査する道具だけじゃないってもんやと思うねんなぁ……」  その雄介の言葉で流石の俺でも分かったような気がする。  確かに、病院で使っている検査ようのチューブは振動するような機能は付いてないのかもしれないのだけど、ココにある道具っていうのは、きっとそういう機能が付いているものなのであろう。  そこに変にため息が出てしまう。  しかしどうしてウチの父親はそういう事を知っているというのか、何の為に俺達にこんな物を用意してくれてのであろうか。 という謎が残るところなのだけど。  とりあえず今はそんなことを考えないようにして、気付くとゆっくりとそのチューブは俺の中の奥の方へと入っていっているようだ。  一応、そういった道具でありながらも小さなモニターがあるらしく、雄介はそれを見ながらそのチューブを動かしていた。  しかし雄介の動かし方っていうのは、全然痛みも違和感も感じない。  こんなにも医者によって違うものなのかと思うところだ。  そしてどんどんと奥へと入って来る。  ……え? ちょっと、それ以上は……。 いやだけど確かに検査の時っていうのは、その奥の方にまで行くというのか、それが当たり前なのだから。  ぐいぐいと俺の奥の方へと入って行く、そのチューブ。 「ここが、もっと奥へと入れる入口になるみたいやな……」  そう俺の後ろで独り言のように言っている雄介。  確かに中の奥の方で、何かがあるのが分かる。  そこで再び雄介は振動させるのだ。 「ふっ! やぁあ!」  あまり感じたことがないような刺激に、俺の方は一瞬にしてイきそうになったのだが、どうやら雄介はそれを止めたようだ。

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