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ー未知ー161
暫く、俺と雄介の中では時が流れる。 そう時計の秒針さえも聞こえてしまうくらいなのだから。
しかも真剣に視線と視線がぶつかってしまっていた。
だけど今の雄介っていうのは、やはり明日のことがあるからなのか、気持ち的にこう切なそうな表情をしているのかもしれない。
そこに気付く俺。
その表情で思い出されるのは、明日のことだ。
そう明日は真剣に美里と話をしなければいけない日でもある。
そのことがあるからこそ、今の雄介っていうのは、あまりこういう行為を楽しんでやっている感じはしないのかもしれない。 そう寧ろ明日のことを忘れる為にやっているというところであろうか。
だからさっきから笑顔の中に切ない表情が含まれていたのであろう。
それを思うと、俺の方は一瞬で瞳を閉じて、それを開ける。 そして俺の方も今は真剣だって分かるように、流石に雄介からは視線を外してではあるのだけど、言葉は真剣に、
「……そ、そこで、玩具を動かして……くれないか?」
と気持ち的には言葉を詰まらせながら言うのだ。
そこに目を見開いたのは雄介だ。
俺からしてみたら恥ずかしいような質問に、俺がまさか本気で答えてくれるとは思ってなかったからなのかもしれない。
いつもの俺だったら、こんな恥ずかしい質問に答える訳がないのだから。
「……あ、そ、そういうことな……」
と雄介の方も何やら俺の言葉の後に答えるのが気不味くなってしまったからなのか、天井の方へと視線を向けてしまっていた。
何だか自分が素直になる事で、いつもとは違う雄介を見れているような気がする。
そこは心の中でクスリとするのだ。
それに雄介は自分で俺にそういったような質問をしておいて、俺がその質問に答えると、逆に自分の方が戸惑ってしまっていたのだから、そこは可愛い部分でもある。
しばらくフリーズしていた雄介だったのだが、
「ほなら、この玩具をココで動かして、ええんやったよな?」
と今度は確かめるかのように真剣に、今度は俺の瞳を見て聞いて来る雄介。
「あ、ああ……だから、言ってんだろ? いいってさ……」
その俺の言葉にやっと雄介の方は理解出来たのか、
「ホンマ、今日の望にありがとうな……いいや、望には毎日のように感謝なんやけど……ほんでも、今日の望にはって言ったらええんかな? あー、いや……毎日のって言わんと毎日の望に悪い気もするしなぁ……」
そう変なところで悩んでいる雄介。
そんな雄介にクスリとしながらも、俺からしてみたら雄介が言いたいことが分かったのか、
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