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ー未知ー177

 確かにそうかもしれないが、「こう、いつも以上に」という表現の方が合っているのかもしれない。  ファミレスというのだから、出掛ける時は車ではない。本当にちょっと歩いたところに雄介が言っているファミレスがあるのだから。この周辺は、大通りが近いからか、生活に欠かせないようなお店が近くにあると言っても過言ではない。  スーパーもあれば、コンビニもある。バス通りでもあるのだから、当然バスもある。そして今、雄介が行きたいと言っているファミレスもあるのだから。あと少し車を走らせれば、俺たちの仕事場でもある春坂病院もある。この周辺は本当に便利な所なのかもしれない。  俺たちはファミレスに入ると、まだあまり人が入っていない時間だからか、そんなに混んでいないように思える。昼のピーク時間はこれからだからだろう。  とりあえず店員に席を案内されて、席に座る俺たち。雄介とは対面に座る。 「とりあえず、飲み物だけにしようか?」 「え? あ、ああ……そうだな。確かに、まだ食べたばっかりだし、それくらいでいいよな?」  そう答えたものの、俺は、わざわざファミレスに来てドリンクだけというのはおかしな話だと思っている。しかし、雄介がそれでいいと言うなら、それでもいいのだろう。  だから俺たちはドリンクだけを頼む。  だが俺はそこでハテナマーク状態だ。確かに今、雄介は「ドリンクを頼む」と言ったものの、指定の飲み物を言わなかったような気がする。  そこで俺は、 「あのさ、俺はコーヒーが飲みたかったんだけど?」 「あ! そういうことな……!」  それは多分、雄介の独り言だったのだろう。雄介は手をポンと叩くと、 「今、俺が頼んだのはドリンクバーやねんって……」 「……へ?」  その雄介の言葉に、俺は今日何度目かのハテナマークを頭に浮かべる。 「あー、やっぱ、望は知らんかったか……」  そこは一瞬ムッとしたものの、雄介に話を続けさせる。 「ドリンクバーっていうのはな……低価格で何杯でも飲み物をおかわりできるシステムなんやって……ただ、自分で取りに行かないとあかんけどな……」 「……あ!」  その雄介の説明で軽く納得する俺。  本当に今の時代は便利になってきた世の中だと思う。  低価格で飲み物が飲み放題なら、気持ち的にファミレスで長居しても構わないのかもしれない。 「ほな、取りに行くか?」 「あ、ああ……そうだな」

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