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ー未知ー190
「そうだったわね……」
と、気持ち的に焦ったように言う美里。
きっと俺の言葉で気持ちも切り替えてくれたのだろう。
「まぁ、とりあえず、子供が生まれてからは、雄ちゃんが専業主夫になるっていうことでいいのよね?」
その言葉に、俺と雄介はほぼ同時に頷くのだ。
「それに、子供が生まれる前は、俺が姉貴のサポートをする予定ですからね……。私には何でもお申し付けください」
そこで美里に向かい頭を下げる雄介。
「何でもって……?例えば?」
今は雄介が発言したのだから、美里は雄介の方へと視線を向ける。
「買い物、家事とか、何でもです」
「じゃあ、琉斗の勉強とか学校での問題でも?」
その美里からの質問に、俺と雄介は視線を合わせるのだ。
まさかこんな質問が来るとは思っていなかった俺たち。だから二人して視線を合わせてしまったのだろう。
だがそれもほんの一瞬で、雄介はきっと頭の中でまとめたのかもしれない。再び美里の方に視線を向けると、
「そのつもりですよ。琉斗の授業参観でも何でも、何かあった時には、俺が行くのでね。それと、姉貴のお腹の中に赤ちゃんがいる間は、今姉貴が住んでいるアパートの近くに住む予定です。流石に一緒に住むわけにはいかないので、隣とか近くに住んでいれば、毎日のように俺が姉貴の所に様子見に行けるので、俺たちは姉貴の家の側に住む予定でもありますよ」
雄介がそう淡々と話すと、どうやら美里の方は二回ほど、頭を頷かせていた。きっと美里の中で俺たちの意見を納得してくれているのだろう。
ここまではいい感じに進んでいるような気がする。
俺たちだってこの話については何度も話をしてきたのだから、ある意味何でも答えられるっていう感じなのだ。
そうだ。俺たちっていうのは、わりと何でもサポートできるということだろう。
家事や育児、病気関係のことだって、サポートできるのだから。
「それと、私が妊娠してしまうと、完全にウチでは収入が無くなってしまうのだけど……その部分ではどうするつもりかしら?」
再び雄介と俺は視線を合わせるのだ。
これは予想の範疇の質問ではあるのだけど、本当に俺たちが考えていたことで大丈夫なのだろうか。
俺は目のサインだけで、雄介に美里に言ってくれ、と促す。
すると雄介は美里の方へと視線を向け、
「そこも、俺たちで、全サポートしますよ」
そう雄介は真剣な顔で美里に伝えたのだが、その美里は急に険しい表情になって、
「全サポートしてくれるの?本当に?それで、あなたたちは大丈夫なのかしら?」
何だかその美里の言い方に、ドキドキしてしまっているのは気のせいだろうか。何か緊張感みたいなのが伝わってきているような気がする。
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