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ー閃光ー5
琉斗の方は、その雄介の言葉に目を丸くしていたようにも思える。
きっと今の雄介の発言がそのまますぎて、びっくりしているのであろう。
しかし本当に雄介という人間はすごい。
確かに、俺が雄介に何度も医者になる前に色々と言ったことはあったのだけど、本当に今はちゃんとした医者になってきている気がする。それに雄介の場合には、本当に小児科医というのがお似合いだ。
元から子供を相手にするのが得意だった雄介なのだが、小児科を選択してからの雄介は、今まで以上に子供に関して強くなったようにも思える。
それに琉斗と雄介は確かに甥っ子という立場ではあるのだけど、琉斗の方はある意味初めて雄介に相談しに来ているのだから。相談というより愚痴に近いのかもしれないのだが。
「そうそう! 本当にそう! でも、なんで雄介おじさんはお母さんのこと知ってるの?」
気付いた時には言葉遣いだって、だいぶ崩したような感じになっている琉斗。そこも雄介らしいのかもしれない。それだけ琉斗も雄介に気を許しているということなのだから。
そして『雄介おじさん』は今も健在らしく、俺はその言葉に心の中でクスクスとしていた。保育園の頃に琉斗に会った時も、雄介のことをそう呼んでいたのを思い出す。まぁ、雄介と琉斗の関係は、叔父さんと甥っ子という関係なのだから、琉斗がそう呼ぶのは当たり前のことなのだけど、やっぱり俺からすると違和感みたいなのはあるのかもしれない。
しかし子供というのは、本当に分からないことは直球で聞いてくるもんだ。特に琉斗の場合には兄弟がいないのだから、余計に雄介と美里の関係はよく分かっていないのかもしれない。それか美里と雄介の関係は知っているものの、兄弟で小さい頃は一緒に住んでいたということを知らないということなのであろう。
だからなのか、雄介の方は、ちゃんと琉斗のことを馬鹿にせず、説明を始めたようだ。
「あのな、俺と姉貴の関係っていうのは、兄弟やねんって……だから、今は確かに離れて暮らしておるけど、小さい頃は一緒に住んでおったし、一緒に遊んでおったし、ずっと一緒だったからって言うたら、分かるかな?」
「あ、あー! 兄弟って、そういうことなんだねぇ。俺の友達とかって、兄弟がいない人が多いから、知らなかったんだよね。へぇー、そうなんだ……お母さんと雄介おじさんは兄弟だったんだねぇ。じゃあ、お母さんの性格とかっていうのは、一番分かっているっていうこと?」
「まぁ、そういうことになんねんな……。せやから、姉貴と居ると疲れるっていう琉斗の気持ち、分かるのかもしれへんで……」
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