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ー閃光ー8
それに少し遠慮がちに言っている琉斗に、気持ち的にクスクスとしてくる。さすがに中学生になって、お子様ランチをリクエストするのは少し抵抗があったからであろう。
だがそこは雄介らしく、何も馬鹿にしたりはせずに、
「そっか……ほな、お子様ランチっていうのもたまにはええのかもな……」
と言い、今日は琉斗のおかげで、お昼はお子様ランチになったようだ。
「ホント、雄介って、優しいよな?」
気付いた時にはそう言ってしまっていた俺。半分は独り言で半分は琉斗に向けて言っていたのだが、ちゃんと琉斗は聞いてくれていたのであろうか。さすがの俺も小さい頃の琉斗には慣れたはずだったのだが、思春期の琉斗にはまだ慣れてないからなのか、どう会話をしていったらいいのか? っていうのが分からなくて、とりあえず適当に琉斗に話を振ってみたという感じなのだから。
それに今この場所では、琉斗と二人だけの俺。
何か話さないとと思った結果がこれだ。
そこにちょっと反省しながらも、琉斗の方は、俺の言葉にどうやら反応してくれたようで、
「うん!」
と返事と共に大きく返事をしてくれたようだ。
「だから、今日、ココに来てしまったのかもしれません……」
「……ん?」
琉斗のその言葉に俺の方は琉斗の方へと視線を向ける。
琉斗は一体何を言いたいのであろうか。
「やはり、小さい頃、雄介おじさんや吉良先生にお世話になったことが記憶の中であるのでね。その時のことがちゃんと今でも残ってるんですよ。だから、雄介おじさんを頼りたかったのかな? と自分でも思いますから……」
きっと琉斗の方も、俺と何か会話をしないといけないとでも思ってくれたのであろう。だから俺のその変な言葉から、会話が繋がってきているのかもしれない。
「僕、本当に小さい頃から、雄介おじさんのこと、本当に好きでしたからね。僕が小さい頃っていうのは、雄介おじさん、確か、消防士さんで、よく訓練してるところ見てたんですよ。それで、僕からしてみたら、雄介おじさんっていうのは、憧れのヒーローでしたから……。しかも、保育園のお友達からも、『琉斗のところのお兄さん、消防士さんでかっこいいよねぇ』とか『僕も、あんな消防士さんになりたい』とか言われてて、本当に自慢の叔父さんでしたからね。それに、保育園のみんなに優しそうな笑顔を見せてくれて、たまに話をしてくれて……」
その頃の琉斗のことは今まで聞いたことがなかったのだけど、そんな風に話をしてくれる琉斗からした雄介っていうのは、本当に雄介は優しくて素敵な叔父さんだったのであろう。それに小さい頃に友達に雄介のことをそんな風に言ってもらえてたなら、確かに琉斗からしてみたら憧れとかヒーロー的な存在になっているのかもしれない。
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