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ー閃光ー14

「琉斗からしてみたら、そりゃ、一人しかおらん親やしな……。きっと、まだ琉斗にはしっかりとこの話について言っても分からんと思ってたから、琉斗には話してこんかったけど……。ほな、子供だからって仲間はずれにせんと、話してったら、分かってもらえるんかな?」  そこまで言うと、雄介は一旦言葉を止めて、再び真剣な瞳で琉斗の方へと向き合うと、 「琉斗の中では、きっと、俺と望が結婚してるのは分かってると思うねんなぁ。そりゃ、結婚したら、俺らの中で散々話し合ってきて、子供が欲しいってことのなったんやわぁ……。ほんで、俺と血が繋がっておるのは、俺の姉貴で、琉斗のお母さんやろ? そしたら、俺の家系の遺伝子を姉貴は持っている訳なんやから、姉貴のお腹の中で子供が育ってくれたら、ある意味、俺がお腹の中で育ててるのと似たようなもんになるやんか……だから、子供の件に関しては姉貴に頼んだんやって……。ホンマにゴメンっ! そこは、琉斗の気持ち考えんと、本気で俺らのわがままだったわぁ……。それにな、俺らはそんな姉貴をいろいろな面でサポートはして行くから安心してな。確かに、これから姉貴はお腹の中に赤ちゃんがいる訳やし、いろいろと体に異変が現れると思う……だから、家事もままならなくなるやろし、ご飯もなかなか難しくなると思うからな、だから、俺らが全力でサポートさせてもらうからなぁ。もし、命の危機に晒されそうになった時には、直ぐに琉斗が俺らに電話してくれたら、俺の方は基本的に家におるし、直ぐに琉斗の家に駆け付けられるように、隣のマンションにしたんやしな」  そこまで雄介が琉斗に説明すると、急に琉斗の顔がパァッと明るくなったように思える。  今まで琉斗だけが何も知らなくて、きっとずっと心の中でモヤモヤとしていたことだったのであろう。  確かによく考えてみれば、何も説明されてない琉斗からしてみたら、母親のことで今まで不安で不安でいっぱいいっぱいだったのかもしれないのだから。  これで誤解みたいなのが解けたようで良かったと思う。  そうさっきまで不安そうにしていた琉斗の顔が明るくなったのだから。  そのことについて琉斗からしてみたら美里に聞ける訳もなく、ずっとずっとモヤモヤとしていたのであろう。そして、完全にそっぽを向いてしまっているものの、 「あー、僕の方も、吉良先生と雄介叔父さんに謝らないといけないのかも……」  きっと反抗期な琉斗からすると、人に謝るなんてきっとしたくはないと思うのだけど、今の雄介の言葉で謝る気になったのであろう。 「ごめんなさい……今日の僕は、変なことばっか言ってしまってて……」 「ん? ええんやって……そこは、琉斗は子供で、思春期だって、それに難しい話しても分からないって思ってしまっていた俺らの方も悪いんやしな……それに、琉斗の言葉、仲間はずれにしといたようなもんだったし……そりゃ、心の中に何かモヤモヤとしたもんがあって、それが、イライラの原因やったと思うしな」  本当に雄介には感心する。  完全に自分も悪いということを先に言って先に謝るという姿勢で、しかもかなり物事を冷静に判断できるところが、本当にすごいと思うところだからだ。

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