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ー閃光ー22
だけど仕事なのだから、逆に言えば和也みたいな人間っていうのは珍しい存在だったのかもしれない。
和也の場合は、俺のことが好きでもあったし、明るい性格だったから、俺もフレンドリーに接することができたのかもしれない。しかし、今回組んだ看護師は、俺と同じく本当に真面目で、一緒にいてもつまらないという印象だ。
確かに病院という場所で働いているのだから、真面目なのは大いに結構なのだけど、今まで和也とコンビを組んでいたからか、今の看護師には不満を感じてしまうのかもしれない。だから俺は雄介に甘えに行ったのだろう。それを埋めるために。
俺は雄介の背中に寄りかかる。
「まあ、雄介に仕事の愚痴を言っても仕方がないんだけどさ……」
「え? あ、うん……。だけど、それを受け止めるのも夫夫の役目なんと違うか?」
静かに答えてくれる雄介。その言葉に安心感を覚えるのは気のせいだろうか。
そう言われて俺はもう一度雄介を見上げる。
確かに雄介の言う通りかもしれない。さっき俺も雄介にそう言ったばかりだ。それに、俺は外で働いていて、雄介は家にいることが多いから、圧倒的に人と関わる機会が多い俺の方が愚痴が多いのだろう。
そう考えると、俺は口を開き始める。
「なんていうのかな? 今コンビを組んでる看護師ってさぁ、何だか物足りないんだよなぁ。こう、真面目すぎて面白みがねぇっていうの?」
「まあ、そりゃ、和也に比べたら、真面目だけでは面白みがないんかもしれへんなぁ……」
「……だろ? だから……あー……」
そこで言葉を止めてしまう俺。
「だから……また、和也とコンビを組んで働いてみたいなぁ。ってことか?」
「え? あ、まぁな……」
「ってか、もしかして、和也がいなくて、寂しく感じてるっていう感じなんかなぁ?」
「あー……」
俺は言葉を続けるべきかどうか迷ったような口ぶりでいると、
「さっき、望も俺に言ってくれたやんかぁ……言いたいことは言ってええんやってなぁ」
「あ……」
そこに触れられて、思いっきり今度は「そうだった」という意味を込めて言う俺。
「あー、だからだな。雄介の言う通りで、やっぱり和也たちがいないと何か足りないっていう感じがするんだよなぁ。俺からしてみたら、和也たちはいて当たり前の存在だったのかもな」
「まあ、そやろうなぁ。だって、俺からしてみても、和也と望って、ほんま、いい親友って感じやったもんなぁ……」
そう返してくれる雄介に安心する俺。
もしかしたら、雄介がそう返してくれるとは思っていなかったから、なかなか愚痴を言えなかったのかもしれない。俺も十分に雄介に遠慮していたのだろう。
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