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ー閃光ー24

 そんな姿に、クスッとする俺。  こう、なんていうのか。今まではずっと俺の関係者の家だったから、雄介がこんなにゆっくりと寛げる感じではなかったのだろう。だからこそ余計に、雄介がリラックスしている様子が目に映る。そして俺は、そんな雄介がテレビを見ている横に腰を落とす。  恋人同士だった頃を思い出す。あの頃は、雄介がソファに座っていると、隣に座れず、少し離れた場所に腰を下ろしていた。  俺は雄介の横に座り、顔を見上げる。 「なぁ、今俺たちって幸せだよな?」 「ん?」  雄介の方が今の俺の言葉に目を丸くしているように見える。それに、またクスッとする俺。 「え? あ、まぁな……」  そう言いながらも視線をそらす雄介だが、どこか照れているようで、顔が赤く見える。  今は昔とは違い、俺の方が雄介に対して積極的になっているように思えるのは気のせいだろうか。  雄介と結婚したことで、むしろ俺に自信がついたのかもしれない。  そう考えると、今の雄介の行動がさらに愛おしく感じる。だからこそ、俺の方から雄介の腕に腕を絡める。  そのせいか、雄介が黙り込んでしまったのは気のせいだろうか。しかし、これだけでも本当に今の俺たちにとって幸せに感じる。  今までが今までだったからこそ、余計にそう感じるのかもしれない。  これまでの俺たちは、本当にいろいろな経験をしてきた。大きな地震、ハイジャック、船の転覆事故、いろいろなことがありすぎた。だからこそ、今こうして幸せな時を過ごせているのかもしれない。ただただ平穏無事でいられることが幸せなんだと、今、実感している。  今の俺たちは、結婚もできて、今では赤ちゃんもできている。これ以上の幸せはないだろう。  これが幸せの絶頂期というものだろう。  しかし、人の人生には、幸せな時もあれば、当然不幸せな時もある。その波を繰り返していくのが人生というものだ。  その時、お風呂ができましたというコールが聞こえてくる。 「ほな、風呂入ろうか?」 「あ、ああ、そうだな……」  ただそれだけの会話でも、本当に今は幸せに感じる。そう、本当に平穏無事な生活がどれだけ幸せなのかということが分かるのは今だけなのかもしれない。  これからも続く俺たちの人生。幸せと不幸せは本当に何度も波のように襲ってくる。だからこそ、幸せな時があれば、不幸せな時もあるということだろう。

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