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ー閃光ー33
一応、頭痛薬を雄介に飲ませて、そこで安心する俺。
薬だってすぐに効いてくるわけではないのだから、俺は雄介の隣に座り、雄介の頭をゆっくりと撫でる。
まだ汗をかいているものの、それは時間が経つにつれて引いてきたように思える。
さっきまではお風呂上がりだったこともあり、頭痛で冷や汗をかいていたから汗が出ていたのかもしれないが、頭痛による冷や汗とお風呂でかいた汗が引いてきたのだろう。
相変わらず雄介の髪はサラサラしている。短髪なのに毛質が柔らかい。
もしかしたら薬も効いてきたのだろうか。気付いた時には、雄介は瞳を閉じて若干うつ伏せの状態で寝息を立てていたのだから。
雄介の場合、普段はあまり薬を飲まない人間だからか、薬が効きやすい体質なのかもしれない。
そこに安心した俺は、雄介の横で目を瞑る。
明日も普通に仕事があるのだから、寝ないと俺の方に体調不良が出てしまう可能性があるからだ。
何もない時に寝るのは久しぶりかもしれない。
いつもなら、雄介と寝る前にたわいもない会話をしてから「おやすみ」と言ってから寝るのが日課だった。
今日は雄介が頭が痛いと言っていたから、それがなく終わってしまった。
少し寂しい気もするが、仕方がないだろう。
次の朝、俺がアラームで目が覚めると、珍しいことにまだ俺の横で寝息を立てている雄介。
きっと昨日、俺より早く寝てしまったから、自分のアラームをセットするのを忘れてしまったのだろう。
それは仕方がないのかもしれない。
人間は完璧ではないのだから、そういうこともある。
それに昨日は薬のせいで早く寝てしまったのだから仕方がないことだ。
だから俺は起き上がると、とりあえず雄介を起こさずにキッチンへと向かう。
今日の朝は雄介が作ってくれたご飯はないものの、何かしら食料はあるので、俺はその中からパンと卵を選び、パンはトースターに入れ、卵はフライパンに落として目玉焼きを作る。
それを作り終えると、簡単に食事を済ませ、家を出る。
しかし昨日の雄介のことが気になる。そして今日の朝も。
薬であんなにも寝てしまうものなのだろうか。
朝、ちゃんと確かめたのだが、雄介はちゃんと息をしていたはずだ。だから生きている証拠ではあるけれど、何か引っかかるのは気のせいだろうか。
車を運転していても、何か今日はスッキリしないような気がする。
昨日の夜はあんなに幸せな気分でいたはずなのに、なぜか今日の俺の気分は晴れないのは気のせいだろうか。
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