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ー閃光ー83

 寧ろ俺が新城の性格を知ってなかったのだから、そこに止まってしまっていたことがいけなかったのかもしれない。 「そういえば……さっき、私達がシているのを、吉良先生は聞いてしまっていたんですよね?」  その話を再び持ってくる新城。  その新城の言葉に俺の方は、思わず新城の方へと視線を向けてしまっていた。  俺のその行動に、新城の方はクスリとだかニヤリとだかの表情を向けてくるのだ。  俺の方はその表情に引き攣ったのは言うまでもないだろう。 「……へ? あ……ど、どういう意味?」  と何でか俺の方は聞いてしまっていた。 「吉良先生は先程、あのトイレに来た時に、私達がシてるところを聞いてしまっていたんですよね? さすがにココまで砕いたら、大人な先生なら分かるでしょう?」  その言葉を俺の耳側で言う新城。 言うまでもなく、俺の方はそれだけで顔を真っ赤にさせたのだから。 「顔を真っ赤にさせた、ということは、そういう事ですもんね……」  更に俺の行動に、クスリとさせるのだ。 「最近、桜井先生とシました?」  その質問に俺の方は顔を真っ赤にさせながら首を横に振る。 「そうなんですか。 では、寂しいですよねぇ? もしかしたら、桜井先生とは暫く出来ないかもしれませんよ。 奥の方をズンズンと突かれる感じ、気持ちいいですよねぇ?」  そう言いながら新城は、俺の後ろの蕾から腰の辺りまでを指先でツーと伝う感じで触れてくる。  それさえも今の俺は体をビクリとさせてしまうほどだ。  もしかしたら雄介があんなことになってしまったせいで、体が飢えているのかもしれない。 それと本当に雄介とはこういう行為を何年もシてきているからなのか、体がもう勝手に反応してしまったということだろう。 「ちょ、ちょ、ちょっと! 新城先生! や、辞めて下さいよー!」  と一応新城に向けて俺の方は抵抗を見せるものの、全くもって力が入ってないように思える。  それは一体どういうことなんだろうか。 まさか新城に期待してしまっているということなのであろうか。  そんなことを想像してしまうと更に顔を赤くしてしまう俺。 「ちょ……し、新城、せ、先生ぇ! これ以上はっ!」  そう言いながら、今度は助けを求める感じで、隣りにいる実琴の方へと視線を向けるのだが、実琴はどうやら裕実のようにはいかないらしく、逆に実琴は俺に向けて微笑み掛けてくれていただけだ。  そこに目を丸くしながらも、呆れたように息を吐く。 「ちょ、分かりましたから、離して下さいっ!」  その言葉でどうにか離してくれたのだが、何だか二人は残念そうに思える。  しかし俺からしてみたら分からない。 どうしてこの二人が俺に対してこんなことをしてくるのかを。  そこはまだ仕方がないことだろう。 だってまだ俺がこの二人の性格を把握してないのだから。

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