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ー閃光ー100

 新城って、最初の頃は物凄く警戒心があったのだが、こうして話をしてみると、意外にも真面目な話ができるのだなと気づかされたような気がする。 「吉良先生の表情も段々と和らいできているような気がしますよ……」 「え? あ……」  そう言われてしまい、今度は一気に顔を赤くしてしまう俺。  まさか新城に俺の心まで見抜かれてしまったからなのかもしれない。  本当に俺は今まで新城のことを誤解していた。そりゃ、最初の印象が悪かったからなのかもしれないが、何というのか、今まで和也たちがいたから、和也たちに頼ってばかりだったけど、実際、仕事場ではわりと新城のことを頼っていたことを思い出す。  そこで俺の方は、完全に顔から体まで力を抜き、素直に、 「本当、今日は俺のために、俺たちの家に来てくれて、ありがとうな……。新城たちのおかげで、なんとか、俺の方は落ち着いたみたいだからさ」  そこまで言うと、本当に俺の方は笑顔で新城のことを見上げるのだった。 「吉良先生がそこまで笑顔になってくれたなら、私たちも今日ここに来てよかったのかもしれませんね。これから先、また何かあった際には、私たちのことを頼っても大丈夫ですからね。それと、昔のことで、吉良先生も梅沢さんも私のことを警戒していたのかもしれませんが、あれは吉良先生のお父様の指示で私は動いていたのですからね」 「でしたよね……」  そこはクスクスと笑ってしまう俺。  その昔、新城は俺の父親の指示で、和也のことが好きだと言ったり、和也を引き抜きに来たりと、いろいろと俺たちの周りでちょっかいを出してきて、俺たちは警戒してしまっていたのだが、今では、もう新城に対する警戒は完全になくなったのかもしれない。  俺の方は新城たちのおかげですっきりとして、新城たちの方へ視線を向け、 「とりあえず、今日はもう遅いですから、お風呂に入って寝ませんか?」 「ですね……。ちなみに私たちは、実琴と一緒にお風呂に入ってもいいですかね? まあ、時間短縮の意味もありますけど……」  そう言ってはいたのだが、何だか最後の方は笑みを浮かべながら言っているのだから、何か意味がありそうだ。そして新城は立ち上がると、俺の耳元まで来て、 「大丈夫ですよ。実琴とは一回しかシてないですからぁー」  とこっそり耳元で言い、 「お風呂場はどちらになりますか?」  と今度は普通のトーンで聞いてくるのだ。  一瞬、その言葉で顔を真っ赤にした俺だったのだけど、新城のその普通の言葉に我に返り、 「あー、風呂は……そこの廊下の右側です」  と答えるのだった。

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