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ー閃光ー135
やはり、お風呂場で倒れた時、自分の体もだが、自分のムスコも勃っていた。 完全にそれをここにいる四人には見られていたということなのであろう。
「あ、ぅ……あー、だけどさ……」
こう何か俺はそれについて言い訳でもしようとしていたのか、口を開こうとしたのだが、やはりそういう話は苦手な俺。 だからこそなかなか俺の口は開こうとしないようだ。
和也は何か悟ったのか、
「まぁ……いいって、そこは、無理すんなよ……。望から俺達に話したくないこともあるだろうし、俺だって、望に話辛いことだってあるんだからさ。 なんていうのかなぁ? さすがに親友でも言えることと言えないこととあるってことだろ? それなら無理に話す必要はないって言ってんだけど……?」
本当に急に和也が大人になったような気がする。
もしかしたら離れている時間が長かったからなのか、和也にも考える時間というのがたくさんあったからなのかもしれない。それに和也の側にはいつも裕実がいたのだから、色々と話をしているうちに、和也の方も一歩引くところは引くのを覚えたということなのであろう。
そして笑顔で、
「もう、そろそろ寝た方がいいんじゃねぇのか? 望は今どこで寝てるんだ?」
そう言って和也はその場に立ち上がる。
だが俺は和也の部屋着にしているTシャツの裾を引っ張って、自分の方へと和也を引き寄せ、耳側で、
「あのさ……お前には話があるから、お前と裕実はココにいてくれねぇか?」
「え? あ、ああ……」
そう言うと和也は一瞬にしてその場に立ち上がるのだ。
「あー、もう、望……大丈夫らしいから、朔望と歩夢サンキューなぁ! ま、さすがは医者な二人だよな。 本当に色々と助かったよ」
「何だか、和也にそう褒められると気持ち悪いけど、まぁ……とりあえずは兄さんが大丈夫だったら、いいかな? ってか、和也と兄さんとで何かあるのは分かったけど……ま、とりあえず、兄さんが大丈夫なら、僕たちの方は、雄兄さんの隣りの部屋で寝かせてもらうよ」
そう言うと朔望と歩夢はさっさと与えられた部屋へと向かうのだ。
そこにホッとしてしまったのは言うまでもないだろう。
俺はソファの上でリラックスしていると、朔望達が部屋に行ったのを確認した和也は、
「……で、どうしたんだ? 俺達だけ、ココに残らせた理由っていうのはさ……」
「え? あ、ああ……そうだったなぁ……」
さすがにその話題について振られてしまうと、俺からしてみたら言いにくいことだからなのか、完全に和也から視線を外してしまっていた。
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