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ー閃光ー144

「ああ、おはよう……」  俺もその二人に挨拶を返し、 「とりあえず、俺の方は風呂に入ってくるな」  とだけ言い、お風呂場へ向かった。  これは俺にとって朝のルーティンになっていることなので、和也も裕実も知っているだろう。  スッキリと済ませてお風呂から出てくると、リビングテーブルの上には料理が並べられていた。 「俺たちの方はゆっくりと出来るけどさ、望の方は早く食べた方がいいんじゃねぇのか?」 「あ! ああ! そうだな。とりあえず、朝ご飯ありがとうな……」  本当に素直な気持ちで言ったのだが、和也たちは何だか妙に静かで、何も言葉が返ってこなかったように思えた。ふっと顔を上げると、視界に入ったのは和也と裕実の笑顔だった。  そこで俺は納得する。  確かに雄介には日々感謝の言葉や挨拶をしてきたつもりだったが、和也や裕実にはあまりそういうことを言った記憶がない。だから、俺の言葉に一瞬戸惑ってしまったのかもしれない。反応として笑顔を向けてくれたのだろう。  そんな二人に感謝しつつ、和也たちが作ってくれた朝ご飯を口にする。  俺の仕事上、プライベートのことを待ってくれるわけがない。プライベートに時間をかけている余裕なんてものはないのだ。  無言で食べていると、和也が口を開いた。 「あー、あのさ……雄介にも家事とかっていうの手伝ってもらってもいいか?」 「……ん?」  和也の言葉の意味が分からず、俺は首を傾げた。 「あー、なんて言うのかな? もうさ、雄介の場合、家に居る人間でもあるし、記憶を早く戻すためにも、日常の雄介が普段やってるようなことをやった方が記憶が戻るのが早いってよく聞くだろ? だから、雄介にはいつもやっているような家事とかもやってもらいたいし、俺たちは一週間しかここに居られないからさ……望は仕事に行ってるんだし、帰宅してきて、雄介の世話や家事をやってたら大変だろ? だから、雄介には家事くらいはまた出来るようになってもらいたいわけさ」  そこまで説明されると、和也の言いたいことがよく分かった。だから俺は全く反対意見は持たず、 「ああ、そうだな。そういう意味でっていうんだったら、和也がしたいようにしたらいいんじゃねぇのか?」 「ん、ありがと……」  その後、和也が作ってくれた朝ご飯を急いで食べ終えると、雄介のことは和也たちに任せ、俺は仕事場へ向かった。  和也たちが来てくれたおかげで、今の俺の心は晴れやかな気持ちになれたように思う。  まさか和也たちのおかげでこんなにも心が軽くなるとは思っていなかった。  近くにいる時は、ただただ和也の存在がちょっとうざいと思うこともあったが、今はそんな気持ちには全くなっていない。

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