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ー閃光ー161
「そうそう! あの日は、朝から望が元気なくてさ……それで俺は望に『何かあったのか?』って聞いたら、雄介と喧嘩したってことだったからなぁ。それで、俺は雄介に話を聞きに行ったってわけだ」
そこまで話すと、和也は一旦言葉を止める。そして再び話し始めるのだ。
「あん時の雄介はマンションに住んでて、二階に住んでたのかな? 雄介の部屋を見た時に、まだ部屋の明かりは点いてなかったから、帰宅してなくてさ。外で刑事の張り込みのように車に乗って、雄介が帰宅してくるのを待ってたんだよなぁ」
その和也の話を何気なしに聞いている俺。確かに和也の言う通り、あの時、和也に話をした日の真夜中に雄介から電話があったのを思い出す。
和也は俺から話を聞いて、それで雄介の家にまで行ってくれて、俺と雄介の喧嘩について話をしてくれたらしい。
「当然、部屋の明かりが点けば、雄介が帰宅したことになるんだろ? だからさ、電気が点いたと同時くらいに俺は雄介の家に行ったってわけだよなぁ」
「え? ちょ、ちょっと待った……何でお前は雄介の家を知ってたんだ?」
「まぁ、そこは普通に気になるところだよなぁ? だって、あの頃はまだ望でさえも雄介の家なんて知らなかったんだろうしさ」
そこで一旦言葉を切ってから、和也は話を続ける。
「今じゃさすがに無理だけどさ。あの頃っていうのは、患者さんの情報っていうのは、調べれば分かったからな」
そこで、和也は何でか俺に向かってウィンクをしてくる。
「あ、ああ……」
とりあえず俺は和也のそのウィンクに反応する。
「ま、確かに、あの時代はわりと簡単に患者さんの個人情報ってのは見やすかったしな」
「それで雄介の住所を調べて、車のナビに登録すれば雄介の家に行けたってわけだ。それから俺は雄介の家に行って、話したんだよなぁ。そん時も、望に言ったように、『確かにメールで謝るのは簡単なことだけど、それだけでは相手に伝わらない。せめて電話で自分の気持ちを伝えろ』ってな」
「あー! あぁ!」
和也の今の言葉で変に納得してしまった俺。
そう、あの時、和也は俺にも同じようなことを言っていたのだから。
確かに今の時代、スマホがあるから、メールで文字だけで相手に謝るのは簡単だ。だけど、和也の言う通り、それだけではしっかりとした自分の意見は相手には伝わらないだろう。それに、逆に言えば、メールならいくらでも謝ることができるが、気持ちが入っていないのだから、下手をすれば誤解されるってことにもなりかねない。
実際、俺も和也にそれを教えてもらったのだから。
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