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ー閃光ー171

「え? え? まさか、今の俺の言葉、図星だったんですか!? だってだって……俺の言葉を無視したっていうことは、図星だったから無視したんですものねぇ? 知ってますよー、俺だって看護師なんで、そういう心理学っていうのは学校で学んできてますしね!」  廊下で俺に向けて話を続ける美潮を無視し、俺は彼より先に歩いて部屋へ向かった。  家のことは和也たちのおかげで安心しているけれど、仕事の方は美潮に関して全く安心できない。  どうして人間というのは次から次へと問題を起こすのだろう。一つ解決できたと思ったら、また新たな問題が襲ってくるなんて。  そもそも、俺は美潮とはあまりプライベートなことで関わりたくない。むしろ、できるだけ話したくないくらいだ。部屋に戻ると、そのまま気を切り替えるために食堂へ向かうことにした。  だが、そこでもまた面倒なことが起きるとは思いもしなかった。  食堂に入ると、ちょうどこの時間は休み時間のピークだったのだろう。スタッフがほぼ全員集まっていて、どの席も埋まっている。空いている席が見当たらないどころか、誰がどこに座っているのかさえ把握できないほどだった。  俺は今日も適当にメニューを選び、空いていそうな窓際の席へ向かう。この病院の食堂で、一番落ち着けるのは窓から中庭を眺められるこの席だ。  昼休みにはこうして一人の時間を確保し、ゆっくり過ごす。これが、俺なりのルーティンだ。  中庭では四季折々の自然が楽しめる。春は桜や梅の花が咲き、春が終われば新緑が広がる。夏は鮮やかな緑に包まれ、秋には紅葉やどんぐりが目を楽しませてくれる。そして冬。木々は裸になってしまうが、雪が枝に積もればまた違った美しさを見せる。  この中庭の自然が、忙しい日々の合間に心を癒してくれる。  そんな穏やかな時間が、突然壊された。  予想もしなかった人物の登場に、俺は思わず深いため息をついた。  もしこれが新城たちだったら、まだ我慢できたかもしれない。けれど、彼らは今頃手術室に入っているはずで、ここには気配すらない。 「望……元気にしてるかい?」  聞き覚えのある声に、俺は後ろを振り返った。そしてそこに立っていた人物を見た瞬間、息を吐き出しそうになる。いや、実際にため息を吐かずにはいられなかった。 「……って、何しに来たんだよー」  思わず、不機嫌さ全開で言葉が出てしまう。

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