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ー閃光ー183
「でも、実際のところ、これから、どうするんだぁー?」
部屋のドアに鍵を閉めた後、和也はそう話しかけてきた。
しかし、そう言われても今後のことなんか全く考えていない俺。
人生って案外、どうにかなっていくもんだ。
たとえ自分ではかなり悩んでいたことも、気付いた時には解決しているものなのだから。
むしろ俺なんかは、そんな気がしてくる。
あんなに悩んでいたのに、気付くと何でか解決している。本当にそれが不思議で仕方がない。
本当にいい友達に巡り会えて、そしていい恋人に巡り会えたのだから。その時々で、ちゃんと俺が悩み事を相談できているからだろう。いや、和也に関しては引き出してもらっていると言ってもいいのかもしれない。
「え? だって、それは、昨日に話したじゃんか……」
「え? あ、まぁ……そうなんだけどさ。でも、望は本当にそれでいいのかな? って思ってさ……昨日は雄介とかがいたし、早く簡単に話し合いを終わらせたかったっていうのもあったかもしれねぇが、今は雄介もいないんだから、本当のことを話したらどうだ?」
その和也の言葉に、体を一瞬固まらせる俺。
何となくだが、今日、和也が病院に手伝いに来てくれた理由がわかったような気がする。
多分、美潮がどんなやつだかっていうのも知りたかったんだろうが、和也は俺と二人きりで話をしたかったのだろう。
和也の言葉に、息を吐く。
「本当に、お前って、俺の心の中にあるのを無理やり出そうとするよなぁ……?」
「ん? それは、前にも言っただろ? 望は胸に色々と溜めすぎるところがあるんだってな……」
そう言うと、廊下の途中で歩みを止め、俺の胸を右手の人差し指で指してくる。
再び歩みを止める俺。そして和也は、再び俺の横へと戻ると、歩き始める。
「まぁ……俺がそう言ったって、簡単には望の心が開かないのは知ってんだけどさ……。雄介と望の様子を今回見に来て色々と分かったよ。また、お前が一人で何かを抱えちまってるてなぁ……。ホント、そこは、前から変わらないっていうの?」
本当に和也の前では何も隠せないのか。こうして一緒にいると、全部バレてしまうというのだろうか。
「あのな、人間、言葉では色々と隠せても、その言葉で自然と心の中にしまっている悩みが言葉になって出てきちまうんだよ……。今だって、望は言葉では『大丈夫』って言ってても、声質は暗かったりして顔もまた『大丈夫じゃない』って言ってんだよな」
再び、和也のその言葉に目を丸くする俺。
やっと、和也が俺のことや患者さんのことを色々と分かる理由が、そういうことだったのだと気付いたのかもしれない。
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