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ー閃光ー184
そうだ。人間というのは、確かに和也の言う通り、言葉では「大丈夫」と言っていても、声や顔色で本当の気持ちが分かるものだ。それに和也の場合、俺のことを親友だと思ってくれているからなのか、たったそれだけでさらに突っ込んできて話を聞き出してくれていたのだろう。
何だか、今まで俺は和也のことを誤解していたのかもしれない。
ずっと和也と一緒にいたのだから、少なくとも友達というより、親友に近い関係だったように思える。だが、俺自身が和也に対してどこか気持ち的に距離を置いていたからなのか、今までそんなことに全く気付いていなかったのだろう。
だけど、俺がそこに気付いたからといって、これまでと違う関係になる必要はない。今まで通りの関係でいる方が、きっといいのだ。
そう考えると、俺は軽く息を吐いた。それは思いっ切りのため息ではなく、何かスッキリとしたような息の吐き方だった。
「……そりゃそうだろ? 雄介が記憶喪失になっちまったんだから、冷静でいられるわけがないじゃんか。それこそ、冷静でいられる人間がいるなら、それはそれで凄いと思うぞ……」
その言葉に、和也がクスリと笑った気がした。
だけどそれは、バカにしたような笑いではなく、何かホッとしたような笑い方だったように思える。
まぁ、そうだろう。和也は真面目な時には真面目に答え、ふざけている時にはふざけることができる人間なのだから。
駐車場に着き、俺は自分の車へと乗り込む。
「俺はさすがに後部座席の方がいいよな?」
そう言って後部座席に座る和也。
こうしたさりげない気遣いができるのは、和也だけだろう。
「あ、ああ……」
俺はそう答えた。
雄介がいない時なら助手席でも構わないと思うが、和也なりの気遣いなら、俺も無理にそれを否定しようとは思わない。
車に乗ってからも、会話は続いた。
「やっぱ、昨日話した通り、雄介の記憶が戻るまでは、俺等が春坂の方にいた方がいいのか?」
「それはそれで、全然構わないって言ってんだろ。診療所の方が心配だったら、朔望達にやらせてもいいんじゃねぇのかな?」
「あー、それもありなのか……?」
和也が考え込む。
バックミラー越しに見える和也は、顎に手を当て、天井を見上げている。
「じゃあ、また俺が春坂病院で働くってことでいいのか? だってさ、美里さんとか雄介とかって、やっぱ裕実の方が良さそうな気がするんだよなぁ?」
「……へ? そうなのか? もしかして、和也、まさか……美里さんのことが苦手で、それを裕実に押し付けようとしてるんじゃねぇだろうな?」
その言葉に、和也はさらに視線を天井の方へと向けた。
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