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ー閃光ー187
逆に言えば、冷静になれたからこそ、いろいろと見えるようになったのかもしれない。
和也たちが来る前は、記憶のない雄介に、俺たちの赤ちゃんが美里のお腹の中にいるということだけで、本当にいっぱいいっぱいだったのだから。
だけど、和也たちが来てくれたおかげで、和也や裕実が美里や雄介のことを分担して見てくれているのだから、仕事にも割と身が入ったような気がする。
とりあえず一週間、いや、これからずっと和也たちはここにいるというのか。一週間後には一旦島の方に行って、診療所を畳むか、朔望たちに任せるかを決めないとならない。
一つ解決しても、再び何かが起こる。本当に人間の人生というのはそういうものだ。
確かに今のところ、和也たちが春坂に来てくれて、俺自身すごく楽になっているのは確かだ。だけど、そこで完全に和也たちに甘えていいのか、というのが疑問に思うところなのかもしれない。
俺は本当にそういうところが甘え下手なのかもしれないのだが。
「なぁ、和也……どうする? 和也たちは島に戻りたいのか? それとも、春坂で仕事したいのか?」
その俺からの唐突な言葉に、和也の方はワンテンポ遅れて、目を丸くしながら俺のことを見上げてくるのだ。
「……はぁ!? あー……そうだな……」
一瞬、顔を見上げてきた和也だったのだが、急に冷静になったのか、車のシートへと寄りかかるのだ。
「そだな……俺的にはどちらでもいいんだけど……。あ! でも、投げやりにそう言ってんじゃねぇよ……。俺は、望に付いて行きたかったからそう言ってるだけだしさ……。ほら、前に言っただろ? 俺は本当に望のことが好きだから、ずっと付いていたいっていうのかな? それに、今から望たちが働いている病院から離れてしまったら、俺からしてみたら行くところなんてないからさぁ……。だから、俺は望に付いていければいいだけなんだよなぁ」
そう言う和也は、やはり何回聞いても本気でそう言っているようにしか思えない。いや、本気でそう思っているからこそ、そう言ってくれるのであろう。
そこに安堵というのか、気持ち的に微笑む俺。
もしかしたら、俺の方も案外そう思っているのかもしれない。和也がいてくれるからこそ、今の自分でいられると言っても過言ではないのだから。
こんなに人生の中で、友達としてずっと一緒にいたいと思う人物なんて、本当にいるのであろうか。もう俺は和也と何十年と一緒にいる。確かにたまに喧嘩とかして、「めんどくさい!」と思う時もあるのだけれど、それでも一緒にいて楽しいとか楽だとか、ずっと一緒にいたいと思う人物が、きっと親友と言えるのであろう。
「……そういうことか」
と独り言を呟く俺。
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