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ー閃光ー193
とりあえず今は、色々と復旧するのを待つしかない。
俺は大きく息を吐く。
本当に、スマホの明かりが無ければ真っ暗闇の世界だ。
俺たちの場合、あの震災を経験してきたからなのか、真っ暗闇になった時にもあまりパニックにはならなかった。だが、外の方はどうだったのだろうか。
その時、エレベーターの外からドアを叩く音が聞こえてくる。
「……へ?」
その音に驚いた俺は、辺りをキョロキョロと見回した。だが、和也はというと、
「やっぱ、来ちまったのかー……」
と、半分呆れたように言っていた。
まぁ、当然の結果と言えば当然の結果だろう。
確かに、俺たちはエレベーター内に閉じ込められている。しかし、今何階で止まっているのかまではわからない。
和也と地下からエレベーターに乗り込み、自分の家がある三階に向かおうとしている途中で止まったのだから。
和也と話をしていたせいで、俺はエレベーターの階数表示を確認していなかった。きっと一人で乗っていたなら確認していたのだろうが。
しかも、エレベーターのドアを叩く音が上から聞こえてくることを考えると、俺たちの推測通り、一階と二階の間あたりで止まっているのかもしれない。
「とりあえず、大丈夫だからさ……それに、俺のリュックの中には飲み物も食べ物も入ってるからさ……」
和也は、いつの間にかメールではなく、裕実と電話をし始めたようだ。
「逆にお前がパニックになるなよー……」
『そりゃ、パニックになりますよー。だって、和也と望さんはエレベーターに閉じ込められているんですよー。むしろ、パニックにならない方がおかしくないですか?』
半分言い合いになっているようにも聞こえる。
確かに和也と裕実は連絡を取り合っているが、裕実の声が上の方からうっすらと聞こえてくるのがわかる。
「それに、あんま騒ぐなよ。今の時間、ここに住んでる住人は寝てるかもしれない人もいるんだからさ……」
『あ……』
それと同時に、裕実の声が静かになった。
『わ、わかりました……あんま、騒がないように気を付けますよ……』
その会話を最後に、裕実は気持ち的に落ち着いたように思える。
俺と和也は、その様子に安堵したのは言うまでもないだろう。
しかし、裕実が当然と言えば当然の行動をしている一方で、他のメンバーはどうしているのだろうか。特に雄介は今何をしているのだろう。記憶喪失とはいえ、これだけの出来事が周辺で起きているのだから、少なくとも何かしらのリアクションを起こしているはずだ。
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