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ー閃光ー202
俺はシャワーを浴びながら、さっきの雄介との出来事を反省するためなのか、頭をスッキリさせたかったのか、いきなりシャワーを頭から浴びた。
だけど、特にスッキリしたわけではない。
もやもやとした気持ちはまだ残っているのだから。
そこで俺は大きなため息を吐いた。
今一度、雄介との会話を頑張っていこうと思ったからだ。
記憶喪失には、いつもの生活を送っていた方が記憶が戻るのが早いと言われている。それなら、いつものように雄介に接した方がいいのだろう。でも、俺自身が記憶喪失の雄介にまだ慣れていないせいか、ぎこちなくなってしまうのがダメなところなのかもしれない。
自分でそう決めたのだから、とりあえず努力はしようと思う。
もし、これ以上記憶喪失の雄介と話したり近付けたりできないのなら、一度離婚した方がいい、とまで考えた。それで自分に気合いを入れる。
それに、俺の今の目標としては、記憶喪失の雄介とキスしたり、それ以上のことをしたりという関係になろうとは思っていない。雄介が本当に俺のことを好きになって、自然と会話ができるようになるまでは、それ以上のことはしないと自分に誓い、体と頭を洗って風呂場を出た。
そして俺は雄介に、
「次、入って来ていいからな……」
と声を掛け、リビングテーブルの方へ座ることにした。
気付けば、和也たちと話をしたかったからなのか、無意識のうちに和也たちがいるリビングテーブルの方へ座っていた。
それと同時に、和也と裕実の視線が俺に集まる。
そんなことは百も承知で、
「あー、やっぱり?」
という和也の声が聞こえてきた。
「でも、望としては頑張ってた方なんじゃねぇ?」
まるで、さっきの雄介と俺との会話を分かっているかのようだ。
「ダメだー! さっきので、俺は今のところ限界……」
そう言って、俺は気を抜いたからなのか、完全にテーブルに体を預けてしまった。
「ま、いいんじゃねぇの? だって、そこは望だもんなぁー……」
和也は、裕実にもその話題を振っているのか、次の瞬間には裕実が、
「ですよねぇー。今回のことについては、僕もそう思っちゃいましたから」
と明るく言った。裕実は笑顔で言っているのだろう。
「ま、望は望のままでいいんじゃねぇのか? 雄介が望にちゃんと目覚めてくれればいいんだからさ」
その和也の言葉に、一瞬で体を元に戻し、視線を和也に向けた。そして「何で?」という表情を向けると、
「まぁ……そういうことだろうからな……」
と、俺のことを分かっているような、分かっていないような答えをされ、俺は首を傾げたままだった。
「いいんじゃねぇの? 望がしたいように記憶喪失の雄介を育てていったらさ……。夫婦ってそんなもんなんじゃねぇ? どんな時でも相手を支えていくってことだからな」
こう悟ったように語る和也に、俺は目が点になったが、裕実も和也の意見に同意しているのか、頷いていた。
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