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ー閃光ー214

 そこでひと息吐く俺。  そこに裕実が、俺の隣へと座ってくる。  やっと裕実の方も俺に言われなくても自分で動けるようになってきたのであろう。そこにホッとしたのは言うまでもないのだから。  そう裕実という人物は、幼い頃から親に虐待を受けていたらしく、家では親の顔色を伺いながらいたらしい。だから大きくなってからもどうやらそれが抜けてなかったようで、俺の家に遊びにくる度に、こう俺が促して「そこに座っていいよ」と言わない限りはずっと立っているタイプだった。  それを踏まえると、大分俺に心を許してきたということなのであろう。  だけど今から寝ようっていう時に、何で裕実は俺の隣へと腰を下ろしてきてしまったのであろうか。俺はそこにハテナマーク状態なのかもしれない。だからなのか、裕実の方へと自然と視線を向けてしまっていたのだから。 「スイマセン……和也の一言で、望さんが嫌な展開になってしまって……」  その裕実の言葉に俺の方は一瞬体を固まらせるのだ。  確かにそうなのかもしれないのだけど、本当に裕実という人間は律儀というべき人物なのであろうか。  自分じゃなく、和也のせいでそうなってしまっていることに申し訳なさそうに言っているのだから。 「あ、いや……大丈夫だって……だって、実際、本当に和也の言う通りだからな。もし、雄介が記憶喪失にならなかったら、このまま俺たちは二人だけでどうにかしていっただろうけど、俺の今の状況を考えて、和也はそう提案してくれたんだろうからな。本当、和也って相変わらずすげぇよな? 俺の性格を汲み、雄介の今の状況を判断して、そういう風に提案してくれているんだからさ……」  俺は若干そういう話は恥ずかしいからなのか、裕実の方へと視線は向けずに、両手を顎の下に置き正面を向いて話始めるのだ。 「ぁ……」  と小さい声ではあったのだが、裕実も和也の提案にやっと納得してくれたのであろう。 「まぁ、それでも、半分は下心ありありでしょうけどね……!」  そう強目に言う裕実。 「まぁ、いいんじゃねぇの? そこは、男なんだしさ……男って下心が無いとダメだと思うし……俺なんか逆に下心がなかったから、昔女性に振られたんだと思うしさ……」 「ぁ……」  そこで再び小さな声で納得したような声が聞こえてくる。 「そうですかぁ……まぁ、確かに、男性に下心がないと、恋人とはそういう関係にはなれませんよね? でも、別に……もう、僕たちなんかはシなくても、いいんじゃないんでしょうか?」 「まぁ、確かに、そんなにシたい! っていうお年頃ではないのかもしれねぇけど、俺の場合には、本当にそういう事に関して目覚めるのが遅かったからな……それに、本当に和也の言う通り、俺一人じゃ抜くこともできないしなぁ……」  その言葉に思いっきり反応し俺の顔を見上げてくる裕実。

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