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第5話
翌日、白黒をつけるために龍と一緒に橘に会いに行った。
「昨夜は夕飯を笹原に持たせてくれてありがとう。助かったよ」
「二人のことだからカップラーメンで簡単に済ませるんじゃないか、そう思ったので持たせただけです。遥琉が一時間後には帰宅します。手短にお願いします」
相変わらず可愛いげのない男だ。
「すみませんね可愛げがなくて」
「なんで分かったんだ?」
「何年一緒にいると思っているんですか?心の声がただ漏れです」
橘は俺たちが来ることを予想していた。
テーブルの上に一枚の写真を置いた。
「ずいぶんと若いな。高校生くらいか?」
女かと思ったが、よくよく見ると男だった。二歳くらいの男の子を抱っこしていた。
「彼の名前は久田原未知。十八歳です。遥琉より一回り年下ですが、未婚の母として苦労してきた分、とてもしっかりしています。彼なら遥琉を心底愛し、幸せにしてくれるでしょう。たくさん子どもが欲しいという遥琉の夢を叶えてくれるでしょうね」
「ちょっと待て。男が子どもが産める訳ないだろう」
「未知さんは両性です。普通なら小さいうちに手術をするのでしょうけど、大人になってから、自分で性別を決められるようにと手術はしなかったみたいです」
「つまりあれか」
「そうです。恥ずかしいのでそれ以上は私に言わせないでください。遥琉は動物なみに勘が鋭い。まずは外堀から埋めて、秘密裏にことを運ばなければなりません。ですから光希さんに協力を仰ぎました」
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