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第7話

「未知が一回りも上のいい年したおっさん、好きになるになる訳ないだろう。しかもヤクザだぞ。勝算はあるのか?」 「一太くんがキーパーソンになるでしょうね。遥琉は元保育士。無類の子ども好きです。一太くんはすぐに遥琉に懐くでしょう。遥琉も一太くんのことをきっと可愛がるはずです。未知さんは母親として子どもの幸せを誰よりも願っています。一太くんと遥琉の仲睦まじい姿を見たら、未知さんは夫として、また、一太くんの父親として遥琉を選ぶでしょう」 「橘、それでいいのか?兄貴は自分の亭主だろうが」 橘はしばらくの間、黙りこんでいた。 「恋にはいつか終わりが来ます。こんな私でも好きだと言ってくれる人がいますし。彼とともに歩む人生も悪くないのかなと最近考えるようになりました。遥琉と交わした約束を破ることになりますが、今が潮時なのかも知れません」 「ヘェ~~ずいぶんとまぁ物好きな男もいるもんだ」 ぼそっと龍が呟いた。 余計な一言が多いから気を付けろ。あれほど口を酸っぱくして言ってるのに。 まわりの空気を読め!発言には気を付けろ!橘を怒らせるな!何度言ったら分かるんだ。頭が痛くなってきた。

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