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第17話
「遼、動物園に行くの?」
「もしかして起こしたか?」
「ううん、大丈夫。五分前には起きていたから」
起き上がろとしたが龍がしがみついていて早々に断念した。
「病み上がりなのに、昨夜は無理させてすまなかった。久し振りだったから、その……」
頭を掻いた。
「謝らないでよ。遼も龍も俺のことを愛してくれる。それがどれほど嬉しいか。遼、ありがとう」
光希がにっこりと笑んだ。
その笑顔に俺の分身がすぐに反応した。非常にまずい状況になってしまった。
「あ、そうだ。兄貴の邪魔をしに行く訳じゃないからな。拝島が妙な動きをしているから、釘を刺してくるだけだから」
話題を変えようと俺はとにかく必死だった。
「本当は未知に会いたい癖に。相変らずツンデレなんだから」
くすくすと光希が笑いだした。
「遼、一太くんに何か買ってあげたら?颯人に遠慮して何も買わずに帰ってきたみたいだから。今回も遥琉に遠慮して買ってとは言えないと思うんだ」
「分かった。ついでにめぐみと優輝にも何か買ってやろう。幸は次でいいな?」
「うん」
幸はまだ赤ん坊だ。
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