6 / 122

第6話

「ここだ。オメガにも前立腺がある。他にも気持ちよい所はあるけど、ここをまず覚えるんだよ」 先生の指がその1点を押した瞬間、孔を拡げられる感覚にさえ感じていたミサキの全身が波打った。 中からの衝撃に弾けるみたいに。 ああっ ダメぇ 泣き叫んだ。 強烈過ぎた。 また射精していた。 でも出したのに衝撃は終わらない。 身体の中で反響していく。 怖すぎて泣く。 とても怖い。 嫌だこんなの 先生の手を掴もうとするのに指が震えるし、全く力が入らなくて座っても居られず、ベッドに脚を開いたまま倒れ込んでしまう。 なのに腰はカクカク動いたまま浮いていて、先生の指を喜んでいる。 「ここを覚えるんだよ。自分でここを可愛がる」 先生は止めてくれなかった。 そこを優しく執拗にこすられる。 脳を直接触られているような鮮烈過ぎる快感がはしる。 ミサキは泣き喚き、ベッドのシーツを掴んで尻を振る。 いやぁ ああっ むりぃ むりぃ 出してないのに出た感覚だけがあり、それが脳を殴るみたいな快感になる。 何度も何度も何度もやってくる。 「ここでだといくらでもイケる。僕たちは」 先生の声は冷静だった。 「ヒート迎える前なら自分ででも快感は得れて満足できる。それで何とかなる。何なら道具を使う方法もあるけど、それは慣れてきたら自分でしてみて」 先生はヒクヒクしているミサキに言った。 先生の指が引き抜かれるのをミサキの孔が惜しむのが、ミサキにもわかる。 「まだ足りないでしょ。自分でしてみなさい」 先生の声が残酷だった。 自分で? 自分にこんな場所があることも知らなかったのに。 もう、男じゃないと思いしらされたばかりなのに。 でも。 欲しかった。 濡れたそこを埋めて、擦って欲しい。 先生をすがるような目でミサキは見つめた。 「ダメ。自分でやりなさい。自分で自分の身体をコントロールしなさい。快感にも慣れなさい。これが一生付き合っていくオメガの身体なんだこら」 先生の声はどこまでも真剣で。 それがミサキの指をそこへ向かわせた。 ミサキの震える指が触れたそこは濡れていた。 割目があって。 それに泣いた。 こんなの・・・男じゃない。 でも、指を挿れた。 割目を開いて指が熱いソコに飲み込まれる。 それだけで声が出た。 広げられたい。 埋められたい。 そう思った。 でも足りない 自分の指じゃ細すぎて、指を増やした。 熱いソコが広げられる度、中から滴る。 ヌルヌルしてまとわりつくソコ。 ゆっくり動かした。 先生を真似て。 確かな感覚に、喘いだ。 コレ、コレが欲しかった。 中を擦られたい。 痛痒いこの感覚。 「教えた所を触ってみなさい」 先生に言われた。 んっ んっ 喘ぎながらそこを探す。 欲しかったから夢中で。 そこを見つけたと分かったのは、そこを押した瞬間に電気が走ったから。 「見つけたね。優しくね。慣れるまで」 先生が褒めてくれた。 いつの間にか隣りに座って髪を撫でてくれる。 泣きながら見上げると涙を拭いてくれた。 「頑張って。一人で中でイキなさい」 先生は言った。 そうしないといけない、と。 「自分で出来ないと辛くなるし、アルファにつけいれられるよ。番をちゃんと選ぶためにも、自分でイクんだ」 先生は言った。 その目の中に思いやりがあったから。 半分焼け爛れた顔の綺麗な側が、とても心配してくれていたから。 ミサキは震える指で自分を責め続ける。 ああっ ああっ 激しい快感。 怖い止めたい 止めたくない ひいいいいいい 涎を垂らしながらミサキは叫ぶ。 ミサキは指を激しく動かしていた。 指だけじゃなく、腰も揺れていた。 「イキなさい」 先生の声がした。 そしてミサキは自分でイった。 自分の中の男ではない場所で。 自分がオメガなのだと思い知らされて。 ミサキはまた泣く。 でも指は止まらなかった。 先生助けて 指がとまんない ミサキは泣いた。 ひいっ ああっ・・・ 生まれて初めての明確な快楽に身体が引きずられて、止められないのだ。 「頑張りなさい。今日はこのまま、気を失うまで」 先生の声は優しくて残酷だった。 いや やめたい むりぃ ミサキは指でそこをかき混ぜながら叫ぶ。 腰はヘコヘコ揺れている。 「やめられないんだよ。オメガってことは」 先生は髪を撫でて、そう呟いた。 「それでも。やれることはあるよ、ミサキ」 先生の声は遠くに聞こえた。 でも。 ミサキが本当に気を失うまで。 先生はそこにいてくれたのだった。

ともだちにシェアしよう!