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第16話

ミサキの学園生活が始まった。 まだ幼いオメガ達はミサキと同様、オメガであることに戸惑ったり、受け入れられなかったりしてる者も多く、なによりアルファを恐がってもいた。 なのでまだ幼い12歳くらいまでのオメガ達はアルファとは別の建物で勉強することになっていた。 だけど、カフェテリアや寮はアルファと一緒だ。 オメガ達は今まで見た事もなかった沢山のアルファ達の目に晒されることになる。 アルファは誰もが大きくて。 整ってはいても、その威圧は見慣れていたベータ達とは違って。 美しい獣の群れにいるようだった。 まだ入ったばかりの小さなオメガ達は萎縮していた。 だけど、アルファ達はオメガを見ることに何の遠慮もしなかった。 視線は生々しかった。 アルファにとってはここはオメガを得るための場所なのだから。 見ないのは既に番を得た年長のアルファ達だけだ。 彼らは番のオメガを見るのに忙しいのだ。 そういうアルファは授業以外ではオメガを傍に置いて離さない。 何なら授業もオメガの横で受ける。 キスしてるくらいは当たり前だったし、周囲を気にすることなくいつでもオメガを抱きしめている。 アルファが番にどこまで執着しているのかを、その目でミサキは知ることになった。 気をつけないとアルファがオメガを抱いてるところに出くわしてしまうということも。 アルファは自分のオメガ以外、目に入ってないからだ。 そう、ミサキはこの学園に来た初日にアルファが自分より少し上のオメガを校舎の裏、建物の隙間で犯しているのをみてしまっただった。 学園内を知ろうと散策していた時、見つけてしまったのだ。 まだ13歳くらいのオメガが、座ったアルファの膝に載せられ、後ろから貫かれていた。 ズボンを足首までずらされ、まだ小さな身体がアルファの太い逞しい太ももの上に載っていた。 小さな尻がカクカク揺れ、それをアルファが楽しげに見ていた。 小さなペニスが勃起し、苦しげに雫を垂らしているのも。 アルファのアレが入っているのだと、ミサキは分かり、思わず立ち止まってしまった。 顔が赤くなる。 これが、アルファとオメガの・・・。 知識はあっても当然見たことなどないのだ。 見てしまう。 いつか自分もこうなるのか、と。 オメガは外だというのに狂ったように叫んでいたし、アルファはそれを楽しんでいた。 制服を乱され揺すられるオメガ。 ボタンを外され、乱されたシャツの間から覗く尖った乳首は、アルファの太い指で捏ねられていた。 貫かれる中と、乳首のどちらもが気持ち良くてたまらないのだと、わかった。 指を、中のペニスをオメガは貪っていた。 アルファはうれしそうにオメガの項を噛んだり舐めたりしていて。 ミサキは凍りついた。 性行為を見てしまったショックより、自分より少し年上の少年が「本当に」アルファに抱かれているのを見てしまって。 そのオメガに自分を重ねてしまったのだ。 大きなアルファに貫かれ、揺すられ、泣き叫びながら痙攣する。 アルファは自分達をみて固まっているミサキに気付き、笑ってみせた。 自慢するような顔だった。 いや、自慢だったのだろう。 番のいるアルファには他のオメガはどうでもいい。 本能的に傷つけようとはしないが。 可愛いオメガを見せつけるように自分のオメガを鳴かせる。 先輩 先輩 ああっ もっとぉ もっとぉ オメガは顎を反らし口を開いて鳴き続ける。 ミサキは顔を真っ赤にして逃げた。 怖い。 怖い。 あれはユキ先生がしてくれるモノとは本質的に違う。 あれはお互いを食いあっている。 嫌だと思うのに。 ミサキの腹の奥が疼き、じゅくん、と濡れるのが分かった。 嫌だ。 嫌だ。 ミサキは欲望と嫌悪に引き裂かれそうになったのだ。 その夜、与えられた個室の部屋で、自慰に狂った。 あんな大きなモノを受け入れていたオメガを思い出して。 「ここをアルファので擦られたら最高に気持ち良いよ」 ユキ先生の言葉を思い出す。 でも。 ミサキは。 先生の指が良い、そう思ってしまった。 初日からアキラの待ち伏せに、アルファとオメガのセックスにで、いっぱいいっぱいで、ミサキはもう自慰に逃げるしかなかった。 そのアキラはミサキが学園に来た次の日から、ユキ先生の言った通り、ミサキの周りをウロウロし始めた。 ミサキがカフェテリアに行けば絶対にいる。 寮の食堂にもいる。 自習室にも。 寮の廊下にも。 何故自分がここに来るタイミングが分かるのかが不思議だった。 でも決して話しかけてはこなかった。 そして、確かにミサキを見ているくせに、ミサキがそちらを見た瞬間には必ず目をそらしているのだ。 どうやったならミサキがそちらを向く瞬間が分かるのだろう。 焼け付くような視線を感じるのに、顔をあげたらアキラはこちらを絶対に見ていないのだ。 反射神経が人間とは異なるアルファだからの技なのかもしれない。 ミサキの僅かな動きに反応しているのだろう。 でも。 そういう意味では。 不躾にこちらを見てこないアルファはアキラだけで。 他の番のいない若いアルファ達はその視線を隠そうともしないのに。 絶対に見ていることを悟られないようにするアキラにミサキは不思議とほのかな好感は持ったのだった。 アキラが自分と同じ11歳で、本当にアルファに転化してまもないということを知るのはすぐだった。 ミサキと学ぶオメガ達もまた、アルファたちについて知りたくて仕方なったからだ。

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