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第30話

ミサキはアキラに抱き締められていた。 大きな大きな身体。 アキラはアルファにしても大きい。 ミサキも15になり、165近く身長はある。 女性よりは背の高い傾向のあるオメガの、年齢的には平均的な身長だ。 だが、アキラに抱かれたなら、これは子供と大人のような体格差だ。 大きな、美しい筋肉に包まれた身体がミサキを背中から包みこんでいた。 服越しにその大きな肉体の熱さがわかる。 そこはアキラの部屋だった。 1度も訪れたことのないその部屋に、ミサキは連れ込まれていた。 アキラはミサキをあの部屋の前から抱き抱えて連れ出し、そのままここに連れてきたのだ。 身体の中の熱が溜まって、朦朧としていたミサキはやっとこの事態に気づく。 「嫌、アキラ!!やめて!!」 アキラに言う。 アキラは息を荒らげ、しっかりと抱きしめ離すつもりはないのがわかる。 でも。 それ以上はしないのも 「・・・ダメだ。そんな顔。そんな匂いさせてたなら、ヒートじゃなくてもアルファに襲われる」 アキラが呻く。 匂い? ミサキからどんな匂いがするというなか。 ミサキの首筋に顔を当てて、その匂いを嗅いでいる。 熱い息が首筋にあたる。 熱い息に、ミサキはヒクンと感じてしまう。 何か、信じられないくらい大きなモノが尻のところに当たっていて、アキラが興奮しているのがわかる。 でも。 アキラは抱きしめて、首に顔をよせていて。 でも。 でも。 そこまでではあった。 ミサキを抱きしめ離そうとしないが、それ以上のことはしてこない。 匂いがした。 アキラが言うようにミサキからではなく、アキラから。 ミサキをおかしくさせるあの匂いだ。 他のアルファからは感じたことのない、あの匂いだ。 ミサキは背中から抱きしめられ、硬くなったものを押し当てられ、その匂いと熱い体温に包まれ、また穴が疼き濡れて滴るのを感じた。 「ミサキをこのまま行かせたら、危険すぎる。ダメだ。ダメだ。ヒートみたいなもんだ。そんなに欲情したオメガをアルファは放っておかない。俺の圧力も効かない」 アキラは珍しくたくさん話した。 いつもポツリポツリとしか話さないのに。 「離して・・・」 ミサキは身をよじる。 身を捩れば当たったままのアキラのぺニスが尻に擦れて、さらに身体の奥が熱くなる。 首筋に当たるアキラの息の熱に、喘いでしまうほど身体が敏感になっている。 これが。 オメガ。 アルファを欲しがるだけでこれ。 ヒートが始まってしまったなら、どうなってしまうのか。 ミサキは自分が怖くなる。 「そのままで、どこにも行かせられない」 かすれた声でアキラが言う。 耐えているのがわかる。 アキラの身体も震えているからだ。 「オレは。抑制剤を使ってる。だけど他の連中はそうじゃねぇ」 アキラは苦しげに言った。 寿命を縮め、能力を低下させる抑制剤を使うアルファは少ない。 ほとんどいない。 アキラがミサキ以外を要らないと、抑制剤を使用していることはユキ先生から聞いていた。 そうじゃないとアルファはオメガ無しではいられないからだ。 ヒートが起こる前のオメガに与えられるカプセルも強い副作用があるが、身体の耐久性がアルファやベータより遥かに強いという理由でオメガには成人までとの制限で使われている。 だがそれも、アルファよりはオメガの「地位」が低いからということではある。 支配者であるアルファ達の中で自分がリスクをとろうとする者はほとんどいないのだ。 ベータを愛するアルファ、シンでさえ、抑制剤を使おうとはしない。 アルファの能力を失って、支配者であることを止め、寿命を短くする気などないからだ。 番は作らずオメガを抱くというのはそういうことだ。 だが。 アキラは。 ミサキのためにそうしてる。 抑制剤を使って他のオメガを抱かない この学園のアルファ達はユキ先生のような番のいなくなったオメガを利用したり、まだ番のいないオメガを口説くために抱いたりしておるのに。 今も。 ミサキを抱きしめ、欲情していてもそれ以上のことはしてこない。 だが。 この状態はミサキにも、アキラにも辛い。 熱い熱がミサキの中に溜まっていて。 アキラの中でもそれが渦巻いているのがわかる。 ミサキは震えていた。 抱きしめ抑えているだけの、大きなアキラの手に胸をもみあげられ、指で乳首を捏ね回してほしかった。 シンがしていたように。 大きなぺニスで、孔を突き上げてしかった。 孔は濡れてて、欲しがっている。 でも。 同時に、嫌で怖くてたまらなかった。 ミサキはどうすれば良いのか分からなくてすすり泣く。 アキラは唸っていた。 舌がミサキの首筋に触れかけたのだとわかる。 唾液が落ちてきたから。 その唾液の熱さに、ミサキは声を上げてしまった。 その声にさらにアキラが強くだきしめるのがわかる。 アキラは耐えている。 軽く当てられたそれを揺すられたからこそわかる。 ミサキはそれに喘いでしまう。 「ダメ・・・離して」 ミサキは泣く 番にされてしまう。 番にされて、犯されてしまう。 孔の奥にそれを欲しがりながら、ミサキは恐怖と絶望を感じた。 「ダメだ。そんな状態でどこにも行かせねぇ」 苦しげにアキラが呻いた。 でもゆっくりぺニスを服越しに擦り付けられた。 アキラも限界なのだ。 ミサキは孔を濡らしてそれに感じた。 そして。 怖くて泣いてしまった。 その時だった。 「ミサキ!!アキラ!!大丈夫か!!」 部屋に飛び込んできたのは、ユキ先生だった。

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