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第41話

項を執拗に舐められた。 皮膚の下にある快楽を溶かし出される。 あっ ひうっ 舐められる度にミサキの唇から吐息と共に声が出てしまう。 ミサキはその舌の熱さに震えてしまい、溶かし出された快楽に奥の疼きが抑えられず、腰を揺らしてしまう。 孔は濡れ、アキラの身体に押し付けたミサキのペニスからも甘い快楽がやってくる。 でも。 ミサキはそこに歯をたてられるのを恐れた。 ガチガチ震える。 項を噛まれる。 そうされることの意味を知っているからだ。 それはミサキがアキラに繋がれるという意味だ。 同時にアキラもミサキに繋がれることでもあるが、アキラから一方的にされるなら、そんなのなんの意味もない。 「お願い・・・お願い・・・噛まないで・・・あっ・・ひぃっ」 ミサキは喘ぎの中で懇願する。 押しのけようとする腕にはなんの力も無く、そのくせ無意識にアキラに腰を押し付け揺らしつづけている。 アキラもまたわ硬く欲しがるミサキのペニスをその身体で感じていた。 アキラは唸った。 獣の声。 アキラが噛みたがっているのは確かだった。 ミサキを犯す以上にそこを噛みたがっている。 何度も軽く歯を当てて、それを止めては舐めて舐めて。 舐めて。 舐めて。 歯を当てて、また舐める。 その執拗さ。 歯が当たる度にミサキは恐怖と、そこから走る鋭い感覚に震えて感じる。 それは絶望のように強い快楽だった。 針から始まる麻薬のような。 歯を立てて噛まれたいとも思ってしまうのだ 項を噛まれて、貫かれたいと。 でもミサキは嫌だった。 ミサキの心は拒否してた。 だが、舐めて舐めて、それでも噛もうとはしないアキラに、逡巡があることにミサキは救いを見つける。 「お願い・・」 ミサキは懇願する 涙に濡れたミサキの目を、アキラの獣の目が映す。 アキラはガチガチ歯を鳴らし、顔を項から背けようとして、でも出来なくて、苦しそうに唸る。 獣の声が響く。 それは言葉にも聞こえた。 「シン・・・シンに・・・渡したり・・・渡したりなんか・・」 後半は獣の唸り声になる。 ミサキはアルファの獣性がどれほどのものかを知る 素晴らしい支配者。 高い知性。 強い意志。 そう称えられるのに。 なんのことはない。 こんなの本能に支配された獣だ。 アキラは歯を鳴らす。 獣は噛みたがっていた だが。 まだ噛まない。 噛まない、が。 獣はミサキを手に入れたがっていた。 それはずっとわかっていた。 ミサキは悟る。 時間の問題だ。 ミサキをこの獣は噛むだろう。 やわやわと歯を当てる時間が長くなってきている。 いずれ皮膚を突き破るだろう。 ミサキは泣いた。 泣いたけれど、どうしても、それを避けなればならなかった。 絶対にだめだった。 泣きじゃくりながら、ミサキはアキラに言う。 「シてもいいから・・・挿れていいから・・・お願い噛まないで・・・」 仕方なかった。 ミサキの人生を与えるか、もう1つアキラが欲しがっているものを与えるかのどちらかしかなかった。 アキラがビクンと固まった。 与えられたのは同意だった。 一瞬子供のような顔になり、そこから顔が歪む。 獣のそのものに。 美しいアルファの姿はなかった。 獣そのものの姿だった。 スイッチが入ったのだ。 オメガの同意。 それは言葉だ。 アルファ達の本能はそれで解放される。 だからこそ、アルファは色んな手段をつかって「言わせる」のだ。 「シンにシンにシンにシンに・・・シンシンシンシン!!!!!」 シンの名前を連呼し、アキラは吠えた。 うぎぅぎぁぁああああ 獣の咆哮。 「俺の俺の俺の俺の!!!!」 アキラは叫びながら、まるで紙でも破くかのようにミサキの服を破いていく。 制服のズボンすらティッシュのようにちがられてバラバラにされた。 細い脚を思い切り広げられた。 ミサキは恐怖で震える。 なのに、ミサキのペニスはそそりたっていた。 ミサキの身体は。 やっと与えられるアルファを待ち望んでいた。 孔は濡れ疼いていた。 「アイツのモノなど、掻き出してやる。俺のでここをいっぱいにしてやる」 アキラが唸った。 ミサキは恐怖の中で、その言葉に違和感を持つ。 アキラは何を言ってるの? 何を掻き出すつもり? だけどその違和感はアキラが自分のズボンをくつろげ、それを取りだした時、どこかへ行ってしまった。 それどころではないほど。 それは巨大で凶悪だぅた。 ミサキが上げたのは悲鳴だった。

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