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第43話

ミサキがあげたのは絶叫だった。 それはオメガでなければ身体が引き裂かれ死んでしまうようなものだった。 激しい痛みと貫かれる感覚にミサキは背中を仰け反らせ硬直した。 「ミサキ・・・ミサキ!!」 自分を引き裂く化け物が、歓喜の声を上げるのを遠くで聞く。 脈打つ巨大な杭に脳天まで貫かれているようだった。 その存在の大きさと熱さと、引き裂かれる痛みに、ミサキはパクパクと口を開けて耐えるだけだった。 アルファのために存在するオメガだとしても、ミサキは初めてなのだ。 いきなり貫かれることには痛みと強風しかない。 だが。 確かに。 オメガの身体はアルファを受け入れていた。 オメガ以外では耐えられないアルファの行為を。 一気に貫かれても。 死なない。 オメガだからこそ。 「アイツはここまで入ったのか!!」 アキラが叫ぶ。 ゴリゴリと奥までめり込まされ、一気に引き抜かれる。 ミサキは悲鳴をあげる。 ギチギチなのにそんなことをされて、襞という襞がうらがえるような感覚に、鳥肌がたち、血の気が引く。 激しい痛みと。 そして知らない感覚。 「お前のここでアイツは・・・!!!」 アキラはギリギリと歯を鳴らした。 また強引に奥まで押し込まれる。 全身か軋むような衝撃にミサキは頭を抱えて喉を逸らして叫ぶ。 逃げようとアキラを必死で蹴るが、そんなものがきくはずもない。 ベータだったら簡単に骨折するほどの威力があるのに。 細い脚を掴まれ、さらに脚を広げられ、膝立ちになったアキラは、激しく動きはじめた。 ミサキのキツさを無視するかのように強引に。 それは。 怒りをぶつけるかのように激しいモノだった。 「ここも俺のだ!!クソ!!シンなんかに!!」 アキラは激しくミサキを揺さぶり始める。 ひいっ いやぁっ!! ひぎぃ うぎぅ!! 痛いっ やめてぇ ミサキは目を見開き、殺される行為に叫び続けた。 熱く焼かれて、貫かれて。 引き裂かれて、殺される。 その感覚に。 だけど。 オメガの身体は。 アルファを受け入れる。 泣いて拒否して、絶望しているのに。 オメガは。 そうなってしまう。 ミサキが本当の絶望は苦痛ではないことを知る瞬間がやってきたのだった。 ミサキの身体は順応していく。 やっと与えられたアルファのために。 孔はアキラのモノのために最初こそ、痛みを感じて強ばっていたが、次第にしなやかに適応しはじめ、脳はそこから得る信号を違うモノへと書き換えていく。 きゅうっ 貫かれ擦られながら、それでもミサキの孔が痙攣してしまった。 その瞬間、ミサキが出した声はそれまでとは違った。 切なく鳴いた。 その声には隠しきれない甘さがあった。 笛のように鳴り響く声に、締め付けと共にアキラもビクリと身体を痙攣させた。 ミサキの噛み締めていた唇が解けて、強ばっていた身体が弛緩した。 それは。 甘さだった。 指で中を弄って、胸を弄って感じてたものはとは比べものにならないほどの。 アキラの獣のように歪んでいた顔が、ゆっくり綻んだ。 ミサキは今。 アキラで快楽を得たのだとわかったからだ。 止まったアキラに対して、ミサキの腰が揺れている。 その淫らさにアキラが唾を飲む音が聞こえた。 「俺の・・・俺の方がよくしてやるから」 アキラはミサキの耳元で囁いた。 アキラが止まってくれたおかげで、ミサキは今まさに感じたモノについて考えなくてすんでいる。 それは先程までの苦痛より遥かに。 恐ろしいものだとミサキは直感していた。 「アイツより沢山出してやる、ココで」 深い低い声。 軽く揺すられて、ミサキはヒクンヒクンと身体を震わせた。 それはもう。 苦痛などではなかった。

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