56 / 122

第56話

ベータの少年がミサキを見ている。 真っ白な身体をさらけだし、背後から座ったままシンに抱き抱えられ、その指に悶えるミサキを。 少年は混乱してて、怯えてて。 でも同時に少年の目はミサキを欲情の目でも見ていた。 シンが柔らかく揉み込むその薄い胸と、その指の間からのぞく、尖ったオメガのその乳首を。 ゴクリ、少年の喉が鳴った。 本能的にミサキに欲情しているのだ。 だが、その目はまず混乱している。 何が起こっているのか分からないのは、ミサキだけではなく、この少年もだ。 「へえ、キョウちゃん、こういう乳首好きなんだ」 シンがこれ以上ないくらい意地悪な声で言う。 胸を揉みこみながら、指先でねっとりと乳首を撫でられ、指の先を立てられ押し込まれる。 その尖った芯が与えるのは、後の孔がぬかるむような疼痛だ。 ひん ミサキは鳴いてしまう。 同時にシンが凄まじく怒っているのをミサキは感じる。 その手の熱さに。 その手の平の熱さに薄い胸を揉み込まれ、ミサキは喘ぐ。 怒っているのだ。 シンは。 少年に。 そしてミサキに。 そして同時にアルファとしてシンもまたミサキに欲情している。 その手のひらの動きの執拗さはシンがオメガを欲しがる動きでもあったから。 夢にまでみたシンの指は。 熱くて意地悪で、肌に焼け付くように気持ち良かった。 胸を乱暴に揉み込まれるだけで、孔から滴らせてしまう。 シンは見せつけるようにミサキの乳首を掴みあげる。 ああっ ひいっ ミサキはその指に感じて少年の前で、全裸でその白い身体を震わせる。 「こんな風に触りたい?」 シンは少年に言いながら、ミサキの尖りきった乳首を摘み上げた もうコリコリに凝ったその乳首はシンの指の与える甘さにもっと欲しいと更に凝りだす。 それを知ってるシンは半笑いを浮かべたまま、ミサキの乳首でたのしみだす。 シンの指はミサキの乳首の楽しみかたを知っていた。 ミサキは泣いて、シンの腕の中で身体をくねらせ、悶え、震えるしかない。 乳首の芯を絞って欲しい。 摘んで、押し込んで、やさしくなでても欲しい。 されたことの全てにそうミサキは思ってしまう。 シンの指は。 愛しかった。 夢見た指が与える快楽に、ミサキの身体は悦ぶしかなかった。 「ここだけでイケそうだな」 シンは低く笑ったけれど、シンもミサキが欲しくてたまらないのは・・・ 分かってしまう。 その執拗な行為は、オメガの肉体を欲しくてたまらないからでもあるのだ。 だけど、シンの目はオメガの甘い身体ではなく、目の前にいる少年だけを見てる。 シンが焦り傷付いているのもミサキにはわかる。 オメガはアルファに共鳴するから。 シンは。 少年がシンを止めるのを待っていた。 少年が止めてと言うまで、ミサキで楽しむのを止めるつもりはなかった。 ミサキの気持ちなんかどうでも良いのだ。 それが悲しくてミサキは泣いて。 でもまた乳首をやさしく指先で潰され、高い声で鳴き、孔から、そして、そそりたった擬似ペニスからしたたらせながら、身体全体でいやらしいダンスを踊っていた。 涙を流しながら。 でも。 「止めて」とは言えなかった それが欲しかったから。

ともだちにシェアしよう!