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第63話

ドアを文字通り片腕で引きちぎってドアをアキラは開けた。 自室の鍵を開ける時間さえ惜しんだのだ。 ドアは廊下に転がったが、アキラは気にしなかった。 今日はこの寮にアルファたちは帰って来ないだろう。 アキラ、シン。 上位ふたりのアルファ。 緊張状態の二人がそれぞれパートナー候補と共に寮にいるのだから。 殺し合いをし、そしてオメガなりベータなりを犯しているかもしれない。 上位と戦うならそれなりの準備と手順がいる。 アルファは騙し討ちはしない。 闘争だけが目的であるからこそ。 結果がわかるまで、ここに近寄りはしないだろう。 アルファ同士の肉体での争いが起こった時、警察ですら関与しない。 罪のないベータやオメガが巻き込まれないことを祈るだけで。 そういうものなのだ。 肉体的な争いを現代のアルファは好まなくはなったが、それでもないわけではない。 化け物同士の殺し合いは、起こる時には起こるのだ。 始まったならどちらかが死ぬまで周りを巻き込みながら殺し合う。 今回は回避されたけれども。 アキラはベットに乱暴にはならない程度にミサキを横たえた。 アキラの部屋は殺風景だったが、机のすみに、小さな折り紙が一つあるのをミサキは正気だったなら見たかもしれない。 何故かその机の上に、いくつもある不自然なモニターが並んでいるのも正気なら見たかもしれない。 でもミサキは正気ではなかった。 アルファを欲しがるオメガだった。 脚を広げてミサキは泣き叫ぶ。 たっぷり濡れた孔を自ら指で開いてみせる。 売れきったそこからアキラはオメガの甘い匂いを感じて、喉を鳴らす。 「早くぅ!!!」 その声にアキラはぐらりと身体を揺らす。 震えて耐えている。 歯を剥き襲いかかろうとするのを耐えている。 アキラは震えながらそれでもミサキの唇に自分の唇を重ねようとして、躊躇した。 そして、唇ではなく、喉に優しいキスをする。 謝るかのように、やさしいキスを。 でも、ミサキはそんなモノは要らなかった。 欲しいのは奥まで貫く熱くて硬くて大きいものだ。 気がおかしくなるまで焦らされ続けてきたのだ。 「バカ!!そんなの良いから!!!」 ミサキは泣きわめき、アキラの肩に噛み付いた。 ベータ相手なら肉を噛みちぎるようなつよさだったが、アキラ相手なら跡になる程度だ。 アキラは寂しそうな顔をした。 ミサキは。 アキラからの優しさ等、要らないとわかったからだ。 ただ、欲しいだけ。 アルファのペニスが。 アキラが欲しいわけではない。 「・・・お前が欲しいなら。なんでもしてやる」 アキラは呻いた 「・・・・・オレのためみたいに言うな!!!オレを犯したいのはお前だろ!!」 ミサキは怒鳴った。 アキラは顔を歪めて笑った。 その通りだったからだ。 「ああ、そうだ。でも、すまない。愛してる」 アキラは言った。 そしてミサキがまた怒り出さないように、ミサキの孔を一気に貫いた。 メリメリと貫かれ、引き裂かれ、ミサキは狂喜した。 大きい 大きいの あつい あついの ひいっ ひうっ いいっ ミサキの声が淫らに響く。 ミサキは悦び挿れられるだけで、射精し、その、中を痙攣させていた。 そこは。 ずっとアルファに埋められることを待っていた孔だということを。 ミサキもアキラも思い知った。 アキラも獣の声で吠える。 もう。 ここからは。 番あう獣の時間だった。

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