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第89話

もうベータはミサキの手の中に落ちてきそうになっていた。 ミサキはゆっくりベータを喰らおうと思った。 可愛いベータ。 二度とシンだけでは足りないようにしてあげる。 毎晩ミサキが欲しいと泣くまで可愛がってやろう。 ミサキは泣きじゃくるベータの頬を優しく撫でた。 「裏切られて辛いね。苦しいね」 ミサキは言ってみて、その言葉が本気だとわかって自分でも驚いた。 ああそうだ、 ミサキも裏切られて苦しかった。 アルファは。 シンもアキラも自分を苦しめる。 今度は苦しめばいい。 裏切ったのはお前たちなのだから。 ベータの目から流れ出る涙は自分のモノでもあった。 「可哀想・・慰めてあげる」 その気持ちにも嘘はなかった。 快楽に焼かれている時だけ、苦しさを忘れられる。 だから。 アルファに傷つけられたベータにもそれを教えてあげようと思った。 つま先立ち両頬を手で挟み、顔を近づけてもベータは逃げなかった。 困ったように涙を流し続けている。 泣いてることにも気づいていない、そんな感じだった。 そこに欲情した。 シンを信じきっていて、今それが壊れて、いろんなモノがあふれだす割れたガラスの容器みたい。 ミサキのキスをぼんやりと受け入れようとしてるのも、本人は良くわかっていないのが良かった。 ミサキは唇からベータを食らうつもりだった。 ミサキの舌を受け入れたなら、もうベータはなすがままになるだろう。 無意識に唇を開けて舌を出しているベータが哀れだった。 そうするまでに仕込まれたのだ。 キスだけで感じてイクだろう。 そうされた。 シンに。 でも。 今日からはミサキのものだ。 ああ。 いいな。 ミサキがこのベータを手に入れたなら、アキラはどんな顔をするだろうか。 このベータとしてから、アキラに犯されるのは面白いと思った。 ベータのものをさんざん可愛がった場所でアキラに犯されてやるのだ。 そのアキラの顔が見たかった。 シンもアキラも。 アルファなんか。 苦しめばいい。 ミサキの赤い舌がベータの舌を絡めとろうとした時だった 「やめろ!!ミサキ!!」 倉庫のドアが開いてシンが飛び込んできた。 「シン・・・?」 ベータが呟いた。 正気に返ったのがわかる。 ミサキは舌打ちをする。 ああ。 とっても良い所だったのに。

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