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第113話

シンは自分を殴りにきた恋人を抱きしめながら、それでもミサキの中に射精しながら穿つのをやめなかった。 シンは明るい笑い声をあげていた。 自分の頬を恋人に思い切り殴らせながら。 「嫌だ!!嫌だ!!オレのだ!!オレだけだっていったくせに!!」 恋人が泣きながら怒り狂う。 「うん・・・うん・・・ごめんね」 シンの声は甘すぎた。 シンが心からよろこんでいるのが繋がったままのミサキには分かってしまう。 「嘘つき!!最低!!馬鹿野郎!!」 シンの恋人が泣き叫ぶ。 それだけで放ったばかりのシンのペニスがまた、臨戦状態になっていく。 恋人の怒りと悲しみにシンが興奮しているのだ。 シンは喜んでいた。 恋人を再び手に入れて。 「ごめんね。ごめんね、キョウちゃんごめんね」 シンは半狂乱になった恋人を抱きしめながら、それでもミサキの中をかき混ぜるのを止めたりはしない。 恋人を抱きしめながら、呻き、ミサキの中で快楽に狂う。 そもそも、アルファとオメガが1度放った位で終われるわけがないのだ。 シンは思い切り殴る恋人の拳を、平然と受け止めてやっていた。 こんなもの。 アルファには全く効かないのだから。 恋人の怒り狂う様子にシンが喜び興奮している、その最低さが露骨にミサキには分かってしまう。 シンが身体の中にいるのだから。 「キョウちゃん・・・キョウちゃん・・・」 シンは暴れる恋人を抱きしめ、でも、ミサキの中を楽しみ続ける。 あと数度は放たないと、アルファは終われないからだ。 「なんで!!なんでぇ!!!もう、やめろよ!!」 暴れながら絶叫する恋人の声も、シンには快楽でしかない。 シンは喜んでいた。 だって。 恋人は帰ってきた。 自分から。 ミサキからシンを取り戻すために。 閉じこもった自分の中から。 それこそシンの思う通りに。 シンを愛してるから、誰にも渡したくないから、恋人は自分から帰ってきた。 帰ってきたのだ。 シンを取り戻すためだけに。 シンは声をあげて笑ってた。 それが嬉しくてたまらないのだ。 「可愛い・・・可愛い・・・そんなにオレが好き?キョウちゃん・・・そんなにオレを誰にもやりたくない?」 シンの声はどうしようもなく甘く、そして、ミサキの中でその興奮を隠そうともしない。 シンは泣き叫び暴れる恋人をしっかり抱きしめ、無理やりキスをする。 暴れていた恋人は、シンのキスに身体を震わし、抵抗が弱くなる。 シンに教え込まれた身体の快楽はそう簡単に忘れられるものではない。 アルファがベータを手放さないためだけに、その身体を仕込んだのなら、なおさらだ。 喘ぎ、震え、シンのキスに応えてしまう。 優しくいやらしいキスをしながら、シャツを捲りあげ、恋人の胸もシンは弄る。 そこにあるのはシンに快楽を教え込まれた乳首だ。 恋人はキスに蕩けて、乳首爪先でカリカリと弾かれ身悶える。 そのくせ、シンはミサキに腰を打ち付けるのは止めない。 恋人を優しく愛撫すればするほど、強欲にミサキを貪る。 シンはどんなに愛しくても、恋人が欲しくてたまらなくても、恋人を本気で抱くわけにはいかないから。 それは恋人を殺してしまうことだから、唇や指で恋人を優しく愛しながら、ミサキで欲望を発散しているのだ。 恋人の代わりの孔。 決して恋人には出来ないことをするための孔。 ミサキを残酷にシンは使ってる。 なのにミサキは気持ち良すぎて、またイくのだ。 恋人とキスしてる、最低の男のペニスで。 「ごめんね・・・もう少しだけ待って」 シンはキスで蕩けた恋人に囁く。 「オメガなんか、キョウちゃんと比べ物にならないんだよ。こんなの食べ物だ。キョウちゃん以上になんかならない」 恋人にそう言いながら、ミサキを犯すことを止めようとはしない。 美味そうに食べているくせに。 「嫌だァ・・・シンはオレのだろ!!オレだけって・・・」 恋人は泣き崩れる。 恋人を抱きしめ、その涙を拭いながら、それでもシンは身体の下にあるミサキを犯し続ける。 抉り、貫き、刺し、その度に息を切らし、呻き、快楽を隠せないまま。 「キョウちゃんだけ。だけだよ。これが最後。もう二度とオメガなんか抱かない」 シンは平然と嘘をついた。 「これが最後だから許して」 とシンは言って泣き崩れる恋人をそっとベッドの脇に下ろした。 最後? 最後なわけない。 流石にミサキは思った。 アルファがオメガを求めないわけがなく、何よりシンにはオメガを抱くことが必要なのだ。 こんなにオメガを貪る身体がオメガを欲しがらないわけがなく。 恋人を殺さないためにも必要なはずだ。 「オレのなのに!!オレだけのシンなのに!!」 恋人は子供のように泣いていた。 床の上で崩れ落ちながら。 シンとミサキのセックスを見ながら。 「うん。キョウちゃんのモノだよ。オレはキョウちゃんだけの!!」 シンが場違いな程幸せそうな声でいう。 本当に幸せなのだ。 この酷い嘘つきで、最低な男は。 恋人を取り戻し、その恋人の前でオメガを犯しながら、それでも幸せなのだ。 「ミサキ、もう少し頑張って」 平然と言いながら、幸せな男はニコニコと笑いながら、でも、欲望のままにミサキを穿つ。 何度も何度も何度も。 ミサキもイく。 何度も何度も何度も。 泣いてるシンの恋人。 シンの幸せそうな笑い声。 アキラではないアルファに犯され、ミサキだけはたまらなく孤独で。 でも、どんなアルファであろうと、確かに気持ち良くてたまらなくて。 最低最悪のアルファに、その恋人の前で犯され、しかも、そんな最低男はそれでも愛されていることを思い知らされて。 ミサキは孤独だった。 アキラは。 アキラは。 他のアルファに抱かれたミサキをどうするのだろう。 アルファの執着はミサキをどうしてしまうのだろうか。 またシンに中で出されながらミサキは身を捩り快楽に喚く。 「まだ、終わんないな、ごめんね、キョウちゃん。今日で最後だから許してね」 シンの声が明るく響き、恋人がすすり泣く。 そしてまた、シンが動き始める。 たっぷりと放たれた精液が零れ始める。 重い水音。 肉と肉がぶつかる音。 ミサキの叫びと、シンの呻き声、恋人の鳴き声。 音が響いてミサキの胸を潰す。 そんな中でも。 アルファとのセックスは、惨めなほど。 気持ちがよかった。

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