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第4話

ブチギレて殴り込みをかける。 「え、え、え?」 未だ状況が飲み込めず目を白黒させるピジョンを荒っぽく突き飛ばしベッドに張り倒す。 弟が頭にきてる理由もわからないとは相変わらず鈍感だ。 干し藁の寝床に背中から倒れ込んだピジョンの胴に跨りスタジャンの前襟を開く。 そこにあったのは女性器を模したリアルな肌色のオナホール、ピジョンの15の誕生日にくれてやったものだ。 「お前それ……いつも持ち歩いてるの!?」 「まっさか!オンナとマトモに手も繋げねえ腰抜け兄貴のこった、どうせヤりっぱぐれるだろうって持ってきたのさ。備えあれば憂いなしっていうだろ?」 愕然と指さすピジョンの誤解を笑い飛ばす、即ちお仕置き用だ。 スワローはアダルトグッズの用途を熟知している。 だてに娼婦の息子として生を享け多種多様なプレイを見聞き実践してない、もうアナルパールが蟻地獄の深さを計測する物差しや頬のこりをとる道具と言われてころっとまるめこまれるガキじゃないのだ。 本当はアナルパールを贈る予定だったが、ピジョンがまだ童貞なのを思いだして急遽今年の誕生日プレゼントに決めた。どのみち処女はもらうが膣のよさを知らずに一生終えるのは気の毒すぎる。 「さわるなよせよ!お前はあっちの部屋だろ、女の子ほっぽりだして来るなよ!?」 「どうでもいい」 動揺しまくったピジョンが金切り叫ぶ醜態をさらす。スワローは兄の顔面で見せ付けるようにオナニーホールを絞る。 オーソドックスな筒状、女性器の内部を模した空洞は狭隘で、快感を促進する人工の襞が無数に仕込まれている。 ピジョンの喉が嫌悪と恐怖に引き攣り、寸詰まりの呼気が漏れる。 「あっちいけ……」 震え声で指示、全身で拒絶する。スワローの悪ふざけは度を越している、完全にピジョンの範疇外だ、容認できない。 スワローは兄に跨って、その胸ぐらを両手で掴む。 「お前さ、人の親切無駄にするわけ?せっかくおごってやったってのに、ただオンナといちゃこらするだけで済まそうってか?ここまできといてヤることヤらずに帰ンのか。俺様はテメェと風俗嬢のデート代持たされたのか」 「う……」 「恥かかせんなよ」 首が締まって苦しい。スワローの憤怒の相が眼前に迫る。殺気立った赤錆の瞳に気圧される。 「ヘタレ。腰抜け。童貞。早漏。テメェにゃがっかりだ。セックス一つまともにできねえってか、ホントに俺の兄貴かよ」 一つ一つアクセントをつけ区切って罵倒する。ピジョンは唇を噛んで手厳しい侮辱に耐えていたが、ありったけの勇気を振り絞って胸ぐらを掴む手に手をかける。 「もうやめよう、こんなのよくない。やっぱりできない……無理だよ」 「はっ、売女相手じゃ勃たねーってか?童貞の分際で注文多いぜ」 「取り消せ」 「あン?」 「売女っていうな」 スワローの発言に怒りを誘発されピジョンの目が凶暴に据わる。 スワローは馬鹿にして鼻を鳴らし、店中に響けとさらに高く声を張り上げる。 「善人気取ンなよ、売女は売女だろーが!金と引き換えになんでもする、どんなプレイにだってケツ振ってこたえる首輪付きのビッチだろ?それともなにか、まーた勘違いしちゃってるわけ?兄貴はちょろいからな、ちょっと優しくされりゃいちころだ。友達だとか優しい人だとかおだてられりゃすーぐその気になって、オツムと股がユルフワビッチの騎士気取りか」 ピジョンが風俗嬢を庇うのが気に入らない。 ほんの数時間前に会ったばかりのくせしてもうお友達ぶるのかよ。どんなにオツムがユルく見えたって額面通りにゃ受け取れない、演技の可能性だってあるのによ。 シャツの胸ぐらを揺さぶり揶揄するスワローの手を強く掴んで、ピジョンが頑として主張する。 「女の子をモノ扱いしたくない」 「金で買える女が商品じゃなくて何なんだ?夢見すぎだぜ」 「お前だって母さんがビッチよばわりされたら怒るじゃないか」 二年前、カクタスタウンを去る間際の騒動を持ち出されスワローが黙り込む。 自警団の連中に母を売女呼ばわりされ、多勢に無勢を顧みず掴みかかっていたのはスワローじゃないか。その同じ口で同じ商売に就く女の子を貶す神経がピジョンにはわからない。 スワローは一瞬キツく唇を噛み、煮え滾る苛立ちを吐きだす。 「……他人に言われっとムカツクんだよ」 スワローだっていい加減子どもじゃない、母が男をとっかえひっかえするビッチだということはもうとっくに知ってる。 母はセックスが大好きだ。娼婦は趣味と実益を兼ねた天職だ。そんな女がビッチじゃなくてなんだというんだ。けどそれを他人に言われるとどうしようもなく腹が立って歯止めが利かない、母さんをビッチ呼ばわりしていいのは俺達だけだ、俺とピジョンだけにその権利がある。ビッチだろうが聖女だろうが関係ない、母さんに愛し愛される俺達だけに…… 「俺はセックスしない。あの子とそういう関係になりたくない」 「んじゃツイてる誰かが代わりにヤるだけだ。テメェよりもっと不細工で汚くて臭くて乱暴な野郎がな」 「………っ、」 「とんでもない変態だったらどうする?女の首を絞めて達するような手合いなら?あのオンナにとっちゃ最悪の初体験だな。オーナーはテメェを見込んで任せたのによ、それを蹴って泣かせたんだ。いいかよく聞けピジョン、テメェがやってることは全部お為ごかし、テメェだけ気持ちよくなる偽善だよ。アイツらは抱かれンのが仕事なんだ、お前はアイツを買った、なら初めから終わりまでちゃんとヤり通すのがスジだ。テメェが腰抜けのせいで俺もあの女も赤っ恥だ、いっそ酷だぜ」 「言うな……わかってるよそんなこと、俺がやってることには意味がないって、ただのオナニーと同じだって。けど」 「けど?何がけどだ?まだ続けんのかよくだらねー言い訳。あのオンナのがよっぽど現実ってモンがわかってる、テメェならいいってそう言ったんだろ?テメェに抱かれたがってんだろ」 「違う、あの子は泣いてた……泣いてる女の子を抱けるもんか、無理矢理してる気になるじゃないか」 「はっ、それが本音!?やっと吐いたな、ただ単に強姦魔に成り下がりたくねえってか!かっこつけやがって、どーせホントに処女かどうかもわかりゃしねえんだ、口だけならなんとでも言える。潔癖症のテメェのこった、汚れた穴に突っこむのがいやだから―」 甲高く乾いた音に続き頬に爆ぜる衝撃。 ピジョンが片手を翳し、上体を起こして睨んでいる。 スワローをおもいっきりひっぱたいたピジョンは、こみ上げる怒りを抑え込むよう肩で息をしている。 普段温和なコイツには珍しく本気で怒っている。 赤錆の瞳はぎらぎらと底光り、真剣な表情に絶対譲れない信条を貫く強固な意志が宿る。 スワローはすかさず報復にでる。 右手を高く振り上げ無抵抗のピジョンをひっぱたく、右の頬をぶたれた仕返しに左の頬をぶち返す、ピジョンは悲鳴も上げずあっけなく倒れ込む、ぶたれた拍子に切れて唇に血がにじむ、それでも敵愾心滾りたつ眼光はいっかな衰えない。 気に入らない、ああ何もかも気に入らないくそくらえだぜ本当に! 身の程知らずに生意気な態度もご立派な正論もうんざりだ、暴力衝動に駆り立てられるがまま兄に馬乗り喚き散らす。 「はっ、ちゃんと怒れるじゃねーかそうだよそれでいいんだよやり返してみろよ!?これ以上ぐだぐだぬかすならあのオンナを引っ張ってきて目の前で突っ込んでやる、金払ったのはこの俺だ、処女切る権利はあるだろーが!?」 「あの子を巻きこんだらただじゃおかないぞ!」 「ンじゃ力ずくで止めてみろよ守る力もねーくせに粋がんなよ!」 ピジョンは血相変えてスイートを庇うも単純な膂力では弟に軍配が上がる、兄弟喧嘩は全戦全敗だ。ここ一年で急激に背が伸びて体格も精悍になった、ピジョンと並べばスワローが兄だと誤解される。 「さわるなはなせどけよ!」 「好き勝手されるのがいやなら自力でひっぺがせよ!」 スワローは易々とマウントをとり、仰向けてもがくピジョンへ顔を寄せる。 「そこまで言うならあのオンナの身代わりになれよ」 スニーカーの靴紐を片手で抜き取り、頭の上で一本に束ねたピジョンの手首を縛り上げる。 「大昔に教えられた絶対ほどけねぇ靴紐の結び方、役に立ったな」 「っ……!?」 手首に巻き付く靴紐の痛みが絶望を与えてくる。 まだ小さい頃、弟に授けた知識とテクニックが仇になった。ピジョンが他人に誇れる貴重な特技、希少な自慢のネタ……それを逆手にとって悪用された事実にひどくうちのめされる。 「さっきまでの勢いはどうしたよ?よーく思い出せ、テメェがドヤ顔で教えてくれたんだぜ、こうしたらほどけねえって」 「よせよ……」 「数少ねェ特技が裏目にでたな?手首を靴紐でふんじばられる気分はどうだ」 「ほどけよスワロー……俺はただ……」 「兄貴は靴紐が好きだから、コイツでお仕置きされて嬉しいだろ?」 優しい思い出がぐちゃぐちゃに荒らされる。 こんなことのために教えたんじゃない、どうしてやることなすこと裏目にでるんだ、俺はただコイツの尊敬を勝ち取りたくて、見直されたくて、俺だってやればできるんだと示したくて…… 暴れれば暴れるほどに靴紐がキツく食い込み摩擦で痛む、スワローはにやにや笑って見てるだけ。 鼻腔の奥がツンとし、涙腺がゆるんで涙がこみあげてくる。間違った事は言ってないはずなのに、口を開くほど惨めになる一方の泥沼にはまり込んで抜けだせない。 コイツのいうとおり俺が間違ってたのか? 俺にほんのちょっとの勇気がないばっかりに、あの子にもコイツにも恥をかかせたっていうのかよ。 「下も一緒に縛ってやろうか?」 スワローが熱っぽく囁き、ピジョンの股間へ手を潜らせる。 ズボンの内側、ボクサーパンツに包まれた敏感な一点をまさぐって竿を掴み、嘗て自分がされたのと同じ提案をする。 「………や、だ………」 みっともなく声が震える。 鼓膜の内側で鼓動が膨れ上がる。 ピジョンは弱弱しく首を振る。 「遠慮すんなよ、痛気持ちいいの大好きだろ?酷くされなきゃ物足りないって知ってるぜ、テメェは処女ビッチのドМだもんな。大好きな靴紐でチンポ縛られて嬉しいだろ?ドライでイケるよう躾けてやる」 「嬉しくない、よくない、全然気持ちよくない……っ、縛られるのはいやなんだ、怖いんだホント……スワロー頼む、おねがいだから……こんなの絶対おかしい、まちがってるよ……なんでこんな……俺は悪くない……間違ったこと言ってない、のに……」 歯の根が合わずカチカチ音が鳴る。ペニスを靴紐で縛られて射精を塞き止められる苦痛など想像したくもない、自分だって被害者のくせにどうして強いれるんだ?目の前の弟が怪物のように思えてくる。 「ごねると目隠しと猿轡もかますぞ」 抵抗は封じられた。この上さらに視界と声まで奪われる恐怖にヒュッと喉が窄まる。 慄然と凍り付く兄を脅し、ボクサーパンツの中に手を入れ直接握る。 「知ってんだぜ」 「なに、を」 「お預けくらって毎晩疼くんだろ」 「……!」 「枕カバーを噛んで必死にガマンして……エッロい眺め。お前だって見られてンの気付いたろ」 「ちが……」 「ねだれよ」 言ってる意味がわからない。ぽかんと見返すピジョンにじれて、ボクサーパンツの中の手を荒っぽく動かす。 亀頭にかけた親指と竿に巻いた残りの四指を同時に操り、剥けたペニスをしごきたてる。 「自分でヤるんじゃ物足りねえ。俺に色々してもらいてえくせに」 「そんなこと思ってない、俺はただゆっくり眠りたいだけ……」 「じゃああの目は何?毎度殺したそうな目で睨んでくるじゃねェか。早く早くめちゃくちゃにしごいてイかせてくれって一杯涙をためてさ、じれったくシーツを掻き毟って……」 「あっ、あっ」 スワローが低く含み笑い、パンツの中の手が発情した蛇のように淫猥に蠢く。 コイツはまさか、俺からねだってくるよう仕向けたのか?だからここしばらく手を出さないでいたのか? わざとじらして、よがらせ、堕として……痛みすら快楽と錯覚させて。 シーツに体中擦り付け、乱れる姿に悦に入り。 指一本出さず、触れず、視線と言葉だけでどうしようもなくなるまで昂らせておいて…… どこまで馬鹿にすれば気が済むんだ。 「放置プレイはお気に召したか?」 「気に入るもんか……っあ、ふあ!?」 すぐ隣に寝てるくせに。吐息がかかる距離にいるくせに。 俺から求めさせようって魂胆か?絶対にのるもんか。 スワローは喉で低い笑いを醸しラストスパートにとりかかる。ボクサーパンツに滲み広がるねちっこい先走りを指で何遍もすくいとり、鈴口へと塗りたくって裏筋を擦り上げる。 「ふあっ、うあ、やぐっ」 弟に好き勝手されるのはいやなのにはしたない声が止まらない、隣の部屋に聞こえたらどうしようと焦燥に塗れた思考が快感に焼き焦がされていく、兄の性感帯を知り尽くしたスワローの責めは確実にピジョンのいい所を突いてくる、包茎を剥かれた悪夢がまざまざと甦り快楽と恐怖が錯綜する。 「ふぅっ……うあっひあ」 「勝手にイくなよ」 しまりのない半開きの口から涎を迸らせ、びくびくと喘ぐ兄の前髪を掴み、オナニーホールをつきつける。 「よーっく見ろ、これが女のアソコだ。上手くできてんだろ」 「スワローやだ……それだけは……っ、たのむ普通にイカせて……」 「命令すンの?」 「ちが……おねがいだよ……たのむから、いやだから、一回でいいから言うこと聞いて……道具は怖いんだよ、無理なんだって……!こんなの使いたくない、イきたくない、いやだ……あっちやって……」 怯えきって口走り、両手を縛られ縋り付けない代わりに全身をよじりつつこいねがう。 母が所有する大人のおもちゃ箱の中身は見慣れていた、用途を知らずに借りて遊んだことさえある。 けれどもピジョン自身は大人の玩具への抵抗感が強い、殆ど嫌悪と恐怖に近い感情を抱いている。こんなグロテスクな形状のモノを体に出し入れするなんて冗談じゃない、とんでもなく不自然で不道徳な行いだ。セックスは愛を確かめ合う行為であるべきだ、道具なんて出る幕ない、必要ない。 「オナホなんか絶対いやだ、こんな悪趣味なオモチャでイきたくない……!」 「なんでだよ、俺もお前もこっから産まれたんだぜ、たっぷり拝めよ。まさか作りもんのアソコに恥ずかしがってんの?」 ローションが滴るオナニーホールをピジョンの顔に押し付けてせせら笑うスワロー。 あともう少しでイけるというのに、手は完全に止まってしまった。 この異常な状況にも関わらず、節操なく勃ち上がったペニスを軽く弾けば、面白いようにピジョンが跳ねる。 「ッああああっ!?」 オナニーホールから必死に顔を背け、往生際悪くごねる兄の様子に興奮したか、スワローがズボンごとパンツをずりおろす。 「男にしてやるよ」 「っああぁあああぐぅ!?」 スワローがオナニーホールを揉み搾り、中心の窄まりをペニスに被せる。凄まじい圧迫感に涙が出る。ピジョンには見えない場所でスワローの手が蠢き、卑猥な性具が不規則に蠢く。痛い。苦しい。 「ちょっと小さめか……見た目よかキツキツだな」 「や、ふあ、ぅあっ、スワロやめ、手っも、うごかすなっ」 ぐちゅぐちゅとローションが泡立つ音が響く。気持ちが悪い。何されてる?弟にオナニーホールで犯されている。初体験の性具がもたらす快感は強烈で、次第に嫌悪感を圧倒していく。ローションで潤んだ人工の膣は狭く弾力に富み、くりかえし収縮して容赦なくペニスを搾り立てる。ピジョンはもうわけもわからず泣く、気持ち良すぎて悪すぎて頭がどうかなりそうだ、手首にギチギチに食い込んだ靴紐の痛みに気を散らす余裕もない、スワローは兄のペニスを挿入したオナホを荒っぽく上下させる、未知の粘膜の快感に手コキの快感が加わって二重の快楽に恥骨の奥がぐずぐずに煮溶けていく。 「なんか……搾乳っぽい」 「ふあっ、あっ、ふあっ」 「濃厚生搾りだ。いっぱいだしちまえよ」 「ふぁっやっんっひ」 ホルスタインの搾乳に見立て、小気味よくリズムを付けオナホールを揉む。質感と形状をリアルに再現したオナホに蹂躙されびゅくびゅく汁だくペニスが痙攣、恥辱で感度が高まり声が上擦る。初体験のオナホのショックとそれすら上回る快感に翻弄され、自然と腰を振るピジョンにのしかかり、スワローが首筋を貪る。 仰け反る喉を舐め上げて、撓う首を甘噛みし、右に左に背ける顔にやけっぱちに唇を押し付ける。 「口開けよ」 「んん゛っ!」 「キス位できんだろ」 「んんんーーっ!!」 絶対にいやだ。唇を是が非でもこじ開けようとする弟を身を固くして拒み、砕けよとばかり歯を食い縛る。その間も責めは止まず、初体験の卑猥な性具がペニスを捏ね回す。コイツは女みてえに喘ぐ。挿れてるのに挿られてるみてェな顔だ。スワローはぞくりとし、兄の耳朶に唾液の糸引く舌を絡ませる。 「あの壁見ろよ」 「ふぅっ……?」 「なんでタイミングよくとびこんできたかわかるか?穴からずっと見てたのさ」 「!!」 ピジョンが驚愕に目を剥く。その顔ときたら傑作だ。 「何してるか何言ってるか筒抜けだ。テメェがあのオンナといちゃいちゃしてるのも全部見させてもらったぜ。友達とはセックスできねえ?笑わせる。俺がウリして稼いだ金でオンナ抱くの、そんなにイヤかよ」 「ふっ……ちが、うあっ、ちがうんだ、っひ」 「テメェがオナホ使ってるトコ、あっちの部屋でガン見されてたらどうする?幻滅だろうな」 「お前、勝手に、うそだ、信じないそんなの」 「兄貴の初体験はオナホだろ?」 「っあくっ、やっ、やめ、でたらめだ全部、見えるわけない、ふあっあ!」 「おっきな声で喘いでさァ……聞かせてえの?」 靴紐で縛られて。 ローションをたっぷりたらしたオナホでぎゅうぎゅうにしごかれて。 スワローがぎらつく目で舌なめずりし、残忍にほくそえむ。 「あのオンナをオナホ以下にしたのはテメェだぞ」 『きて、ピジョンちゃん』 『サシャちゃんも頑張ってるんだもん。スイートだけわがまま言えないよ』 怖いのを一生懸命ガマンして、一人のプロとして「お仕事」をやりとげようとしていたスイート。 自分だけキレイでいたい、ピジョンの偽善が彼女のプライドをズタズタにした。弟に告げられた残酷な事実が、陰湿な責めにも増して心を粉々に打ち砕く。 スワローは兄の偽善も欺瞞も全部まるっとお見通しだ、ピジョンがどんなに狡く小賢しい人間が骨の髄まで知り抜いてる。 スワローはひどく冷たく軽蔑しきった目でピジョンを見下す。 「金払った分きっちり抱くのが娼婦への礼儀だ。それをテメェは何とち狂って勘違いしたんだか、友達でいたいだとか痛くしたくないだとかキレイごと吹かしていいことしてやったんだと上から目線だ」 「っ……嘘じゃない、本音だ!元はと言えばお前が無理矢理引っ張ってきたんだろ、俺は最初からやだったんだ、抱く抱かないは俺が決める!!」 「可哀想な女の子を処女で帰すのが優しさか、ご立派なボランティアだなええオイ、オナニーで気持ちよくなれたかよ?」 醜悪に顔を歪め、この上なく忌々しげに吐き捨てる。 「虫唾が走るぜ、偽善者が」 「あっあっあっひあっ!!」 いやだこんなところ見られたくない見られるくらいなら死んだ方がマシだ、気持ちいい気持ち良すぎて何も考えられないもっと欲しい酷くしてほしいもうスワローが何を言っても何をしても興奮する、恥ずかしくて死ぬイキたいイかせて恥ずかしい気持ちいいぎゅうぎゅうに締め付けられぐちゃぐちゃに搾られて抗う心を体が裏切り昂る体を心が毒す。 「すげえ、また一回り大きくなった……さすがに痛そうギッチギチだ」 「ふあっんく、あうっひ、うあっあ」 わざと髪を掴んで穴が穿たれた壁の方を向けさせるスワロー、よく見えるよう膝裏に手をかけ持ち上げる、壁の向こうに潜んだ息遣いと気配が視線に乗って突き刺さる、被害妄想が見せるただの幻覚と錯覚だ……裸の臀部に干し藁がちくちく刺さってこそばゆい、もう絶頂が近い、イきたい吐きだしたいそれしか考えられない、卑猥な水音がたつごとオナホの窄まりが巧妙にうねって圧搾と吸引をくりかえし涎を垂れ流してよがり狂うピジョンの瞼にスワローがキスをする。 「一滴残らず搾り尽くしてやる」 「ふぁああぁああああ―――ッ!!」 一際握力をこめオナホを握り締めた瞬間、偽物の膣の中で大量の白濁が爆ぜた。

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