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第9話 切り換えとドジ

「それじゃあ俺はもう帰るな。悪いな話を聞いてもらううだけのつもりだったのに。色々励まされた。ありがとう」 「ううん。気にしないでよ。僕がそうしたかったからそうしたんだもん」  あれから俺はせっかく家に来たんだからゆっくりしていけと言われて歩の家で寛いでアニメを見ていた  歩のチョイスで「盾の英雄の成り上がり」という作品をだったんだが。正直俺的には以外に感じた。  内容としてはよくある異世界バトルものでタイトル通りに主人公が使う武器が珍しいことに盾だ  でもってなんか序盤から主人公の扱いがめっちゃ酷い。序盤から濡れ衣と冤罪をかけられた時なんか予想外すぎてびっくりした。もう主人公初っ端から闇堕ちしかけててどうなるか心配だったけど途中で仲間のおかけでどうにかなって安心した。最後の方はそういう酷い展開を仲間と一緒に乗り越えていった  正直歩がこの作品を選んだのは意外だった。こういう異世界系の作品があんまり好きじゃなかった気がするんだよな。  それで気になって聞いてみたら 「俺はご都合主義のごり押し展開とかセリフを喋らされてる感があったり、単調過ぎるのが嫌いなだけで異世界ものも普通に好きだぞ」  という事のようだ。俺にはよく分からねぇけど本人の中できっと判断するなんかの材料があるんだろうな  そしてキリのいいところまで見終わったのともう昼だったから俺は家に帰ることにして俺たちは今歩の家の玄関にいる  このまま歩に昼飯をご馳走してもらおうかとも考えたがやめておいた。口は悪いけど歩はなんだかんだ優しいから頼めば多分やってくれるだろうけど、親が家で昼飯を作ってくれていたのでやめておいた。作ってもらったのに食べないのは悪いしな 「じゃあ明日悠真と話したら連絡してね。相談にのるから」 「ああ、色々ありがとうな。それにお土産まで貰っちゃってなんか悪いな」  実は歩に出されたあのパイは大きくてさすがに全部食べきれなかったんだよ。めっちゃ美味いから残念だったんだよな  けど歩が残った分をお土産に持たさせてくれた 「うん。どういたしまして。それとお菓子については気にしないで元から弘が来るから作ったんだし、それに余りものみたいなものだかね」  因みに口調から察しているかもだが今は#外行き__委員長モード__#の顔になっていていつの間にか眼鏡をかけ直している  玄関なのでいつ人が入ってきて隠してる部分を見られるか分からないからだ。それと歩の眼鏡についてだけど実は視力は問題ないらしく、伊達メガネなんだ。本人的には小さい頃に付けていたからあると落ち着くので今も身につけてるようでそれに加えて 「外行き用とそうじゃないときのスイッチを切り替えやすくしてんだよ」  って前に言ってた。眼鏡は目が悪いからじゃなく、あくまでも別の目的の為に使っているらしい。いやそもそもいちいち眼鏡をかけたり外したりするだけであんな一瞬で切り替えられるのとか凄くね?  俺がどうでもいいことを考えていると 「あっ!忘れてた!」 「うわ!」  急に歩は大声を出したので驚いて声を出してしまった。 「びっくりしたなぁ。どうしたんだよ歩?」  一応聞いては見たが別に大した事はないだろうな。普段の歩は#外行き__委員長モード__#のイメージ通り真面目でしっかりしている  ただしっかりはしているんだけど実はめちゃくちゃうっかりしてる。って言ってもに大して問題にならないうっかりばかりだ。例えばハンカチやイヤフォンをを忘れたとか、時間に余裕がある課題を早めにやろうと思ってたけど、持ってき忘れたというようなものだ  そんな感じで本当にどっちでもいいものだったり、問題が起こらないものばかりだから今のところ誰にも知られてないらしい  別に気にしなくてもいいような事だから周りの人は誰も気づいていないし、わざわざ周りに言ってないのもある。それとうっかり者って言うイメージをされたくないから隠しているらしい  別に誰も気にしないと思うけどな  それともし、重要な事だったりすると逆に無言になったりする  だからこうやってテンションが高い場合は気にしなくてもいいよなうっかりで確定だ  なんか俺の前ではうっかりしていた事を隠さないでいるっていうのは俺に対して気を許してるって事でなんかむず痒くなるんだよな 「アップルパイに乗せるの出すの忘れてた!ちょっと待ってて」  そう言って慌てて家の中に戻っていく。予想通り大声を出した割には内容は大したことじゃなかった。そしてその後ろ姿を見て俺は思わず呟いてしまう 「あれであの#普段__委員長モード__#の時と#おっかないとき__悪魔モード__#のどっちも素とか未だに不思議なんだよな」  根っこの優しい部分は一緒だけど雰囲気とか口調が全然違うっていうか違いすぎないか?  っと、そんな事を考えてたらもう戻ってきたな。戻ってきた歩は袋を手に持っていた 「はい。これも持っていて」  そう言われて俺は袋を受け取る。袋の中にはなんかお弁当とかに入ってる小さなソース入れみたいなのがいくつかとカップアイスが1つあった 「えっとこれは?」 「アップルパイに乗せようと思ってて準備してたものだよ。バニラアイスを乗せると美味しいんだよ。それと他のは塩キャラメルソースと卵と牛乳で作った簡単ソースだよ。容器に関してはノーコメントでね。ちょうどいいのがなかったんだよ」  苦笑しながら恥ずかしそうに説明していた歩だったが途端に肩を落として、眉が下がり見るからにしょんぼりし出す 「本当は一緒に出すつもりだったんだけどうっかり忘れちゃったんだ。ごめんね」 「いや、別に謝らなくていいから!てかアップルパイとお茶だけでありがたいのにここまでしてもらうのは悪いって」 「いや、どうせやるならとちょっと張り切っただけだよ。それに出すのを忘れてたから結局意味がないし」 「いや、大丈夫だから!今ここでもらったから。マジでありがないからだから気にしないで!」  ………あマジで普段の時と隠してる性格に差がありすぎだろ。本当に同じ奴なの時々怪しく思うんだよな。あのドSな性格の奴にこんな一面があるとか誰かに言っても絶対に信じないだろ。少なくとも俺は信じない 「そ、そう?ならよかったぁ」  そう言ってほっと息を吐く歩  なんかこういうのを見てると俺といる時に見せる実は口が悪いあの歩がこんな風にしょんぼりしてたり、うっかりしてるところを見るのは楽しいな  いつも弄られていてイラッとするけど、こういうのを見るとなんとなく歩の気持ちがわかっちゃうんだよな。される方からするとうざいけどなんか見てる方はマジで楽しいな。けどまぁ 「それじゃあ今度こそ俺は行くな」  俺は歩と違ってドSじゃあないから必要以上に弄ったりはじねぇんだけど。あと正直やりすぎるとその後の報復が怖い  口が悪い時ならまだいんだよ。目を逸らして気まずそうにしたり、顔を赤くしたりする珍しいものが見れるしな。まぁ、偶にやりすぎて無言でパンチされたりはするんだけど  けど今みたいに外行き用の状態だと弄りすぎたりわざと弄っている事がバレると後で倍返しにされるんだよ  だからバレない程度にやるのが大事になってくる。なので実は俺は偶に気が向いたら歩の事を弄ったりしてる。  いつもの仕返しだ。まぁ大体いつもついやりすぎてその後に俺が泣かされてるんだけどな 「うん。それじゃあまた明日」  そうして俺は自分の家に帰っていく ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 作者からのコメント すいません!予約日の設定を間違えていました!

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