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第3話 何で?って言葉は意図が伝わってないときがある

 どうして?とかなんで?って言葉は意図が伝わらない時がある。よくあるので言えば何でそうなったのかと理由や経緯を聞いてるのに何をしたかを答えられたりする 「え?何でって一緒に寝たからだろ?」 そうまさにこんな感じで 「俺が今言ったなんで?は何をした?とか何をしてる?じゃなくてどんな経緯でこうなってるかって聞いてんだよ」  日本人なら誰しも一度はこんな風に意図が伝わらなかった事ってあると思うんだよな。特に日本語はニュアンスで表現する面が強いから余計にな 「あー、そういうことか。さっきも言ったけど駆が梅酒を飲んで酔ったからだよ」 「いや大事なところが抜けてるだろ!なんで酒に酔ったら同じベッドになるんだよ!?」  こいつは見た目はチャラいけどいい奴だと俺は思っていた。けど違ったのかもしれないな。もしかしてこいつの彼女がよく変わってた理由ってこれなのか?誰彼構わずこんな事してる適当な奴なんだとしたらこいつとの付き合い方を見直す必要があるな 「え?あ、そうか。記憶がないんだったな。それじゃあ梅酒を飲んでからの説明が必要か」 「いや逆にそれ以外ないだろ」 「まぁ、細かい事はいいじゃん。えっとまずはな駆はお酒を飲んで酔って泣き出しんだ」  軽い調子で話す響に若干苛立ったがそんな事は気にならないどころか気にする余裕がない発言が耳に入ってしまった 「は?……えっ、泣き出したって誰が?」  状況的には選択肢は一つしかない。でも俺は聞き返さずにはいられなかった。どうしても受け入れたくないからだ 「駆が」  分かってはいたがさらっと言う響の言葉に頭を抱えたくなる。何でそんな面倒くせぇ事になってんだよ  え?なんで俺は泣き出したんだ?もしかして俺は所謂泣き上戸って言う奴なのか?もしそうだったら嫌なんだが。今は酒を飲む歳じゃないからまだマシだけど酒飲む度に泣き出すんだとしたら恥ずかしすぎて人前では飲めなさそうだな 「それで駆がゲイなのは別にいいけど好きな人が出来るか心配だとかBLみたいに自分にとっての王子様と出会うことができないんじゃないかとか色々と不安をこぼしたんだけど覚えてないのか?」 「………え?」 響の言葉を聞き、俺は何も考えられなくなった。 ゲイだって漏らした事はまだいい。BLを見てるだろう事が知られたのもまだいい。面倒くさい事になると怠いから言ってないだけで隠してる訳でもない  けど王子様関連は別だ。この年になって憧れてるとかさすがに恥ずい。酔ってるからって何をしてるんだよ過去の俺は!はぁ、何でこんな考えるのが面倒くさい事になってるんだよ  顔が熱いのを感じる。羞恥心がとんでもなく穴があったら入りたい。面倒くさい事はしたくねぇけど、そんなの気にならねぇくらいに今の俺には精神的なダメージがデカすぎる 「あ、駆顔が真っ赤だな。いつもローテンションだから新鮮だな」 「うるせぇ!とっと続きを話せ」  黙れと反射的に言いかけたがここまで話させてて最後まで聞かないのはそれはそれで怖いので何とか飲み込む 「照れちゃって、かわいいな」 「お前は話しを聞いてなかったのか?とっとと先を話せって言ってんだろうが」  なんかふざけた事を言ってる羞恥心の元凶はニヤニヤと笑みを浮かべている。その顔を1発ぶん殴ってやりたくなるがまだ話の途中なので我慢して睨みつけるだけで止める 「いやーそう言われてもね。面倒くさがりで普段はあまり表情の変化が薄い駆のこんなところをみたらさ。ね?」 「マジでやめろ。しつこいんだよ」 ね?じゃねぇんだよ。これもう完全に黒歴史じゃねぇか。最悪だ。本当に何でこんな面倒くせぇ事になってんだよ 「えー、もうしょうがないなぁ。不安を溢して泣いてる普段とは違う姿の駆を見てなんなグッと来ちゃったんだよ。それで俺が付き合ってみる?って聞いたら駆がうんって言って付き合うとになったんだよ」 「は?」 酔ってたとは言え、何してんだよ過去の俺!てか酔ってたは家ちょろ過ぎるだろ!?マジで何を考えてたんだ 「それで駆がキスをして、してくれって言ったんだ。」 「………ノンフィクションか?」  あまりに信じがたい………いや信じたくないセリフにたっぷり間を置いてからつい聞き返してしまった 「イエス!さすがに俺もやめた方がいいんじゃないかって言ったんだけどそしたら駆また泣き出しちゃったんだよ。俺と付き合うって言ったのは嘘だったのか!って」 「………頼むから嘘だって言ってくれ!?もう俺の体力はゼロだぞ!」  もう何も考えたくねぇ。俺は今日一日でどれだけ恥の上塗りをしてるんだろうな。何でこんな面倒くせぇ事がこんなにも重なるんだよ。もう頭がいてぇよ 「えー、その頼みは聞けないなぁ。だって今日の駆は普段とのギャップもあって凄くかわいかったしな。」 「やめてくれ!マジで勘弁してくれ」 自分の失敗は恥ずかしいもんだけど、それを人から言われるのは更にきつい 「そんな風に泣き出した駆に困った時に偶々前の彼女が置いてった道具を駆が見つけて一緒に風呂場でそれを使って準備してベットに入ったって言う流れだな。いやぁ、普段は面倒くさがりな駆が積極的に動いててギャップもよかったし、準備してる時もかわいかったよ駆」 「………」  駄目だもう言葉を返す気力すらない。  例えるなら大食いチャレンジで満身創痍になりながら食べてる途中に、更にそれ以上の巨大な料理を追加で出された気分だ  床をゴロゴロ転がったり、発狂する余裕すらない程に今の俺にはダメージがでかい  もう自分の顔がめちゃくちゃ熱い。羞恥心で顔が火傷するんじゃないか? ………もうダメージがデカすぎてこれ以上何も聞きたくない。けど聞かない訳にはいかない。  俺は覚悟を決めて顔を上げる。これだけは聞いておかないといけない 「なんで、俺と付き合うかって聞いたんだ?お前男もいけるバイって奴なのか?」  俺の言葉に目を瞬かせて、首を傾げて考えるような素振りを見せるがそれもすぐに終わる 「え?うーん。男に対しては初めてだからバイ?って奴なのかは分かんねえな」 「はぁ?じゃあ何で俺に付き合うかなんて聞いたんだよ。さっきの言い方的に別に積極的にそういう関係になりたいってわけじゃなかったんだろう?」  そうだそれが何となく気になってたんだ。こいつはいつも告白される人間で自分からは行動を起こさない。だから不思議だったんだ  こいつは何でよりもよって男の俺に自分から付き合うかなんて聞いてきたんだ。別に男も好きって訳じゃないのに 「うーん。なんとなくかわいそうだなって思ったから?」 ………は?

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