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第7話
1週間かかった。
列車やトラックに忍びこみ移動し続け、食べ物を盗み、屋根の隙間や、倉庫を見つけて入り込み眠った。
途中何度も警察追われ、悪い大人に騙されそうになり、でも、誰も信じなかったからこそ、海へとたどり着いた。
生まれて初めて見たはずなのに、海はとても懐かしかった。
その子の目の色とは違うけど、その子の目の中に海があったのだと分かってしまった。
海水を大切に持ってきた水筒に入れると、少年は海の波にキスをした。
塩辛い。
でも。
あの子にキスをしたみたいだと思った。
濡れるのを厭わず、海に入った。
村の湖とは全く違った。
あの留まった場所ではない、ここはひろくて、どこまでも広がっている。
あの子はここから来たのだ。
帰してあげなければ、と思った。
海で遊んでいた都会からの若者たちが焚き火をしてたので、服を乾かさせてもらう。
若者たちが少年を心配したから、少年は正直に家出していたと答えた。
すぐに警察が呼ばれた。
帰るにはちょうどいい。
こってり絞られたが、村まで連れ帰ってもらえた。
当然怒った両親に閉じ込められた。
しばらくは家から出さないと。
だが。
この村に少年を閉じ込める場所などないのだ。
少年は簡単に天井から抜けだした。
そして屋敷へと向かう。
海の水の入った水筒を持って。
あの子に。
あの子に。
これを。
少年は屋敷に忍び込んだ
そして、そこでは。
また男がその子を犯していたのだった。
窓からそれを見る。
「気持ち良いだろ?」
男はその子を突き上げていた。
尾鰭を折り曲げ、背後から。
どんな角度にも曲がる下半身は角度によって色んな感触へと孔を変えるのだと、もう少年は男の言動によってそれを知っていた。
それはその子も同じで、角度を変えられると違う風に感じてしまうのだろうことも。
「この角度で、胸を捏ねられながら突かれるのがお前は好きだね。孔がそう言ってる」
男は楽しむようにゆっくり腰を使った
その子がいやいやしながら、それでも口を開けて出ない声で叫んでいる。
尖りきって、ピクピクしてる乳首は男の指でたっぷり可愛がられていて。
男のゆっくりした動きに合わせて下半身が揺れるのがいやらしくて。
でも泣いてて。
泣いてて。
勃起させ、その先から滴をたらしながらもその子は泣いてて。
「気持ち良いだろ?」
男は笑う。
そして執拗にゆすり上げ、とうとうその子は泣きながら達する。
ボタボタと射精しながら震え続ける。
尖った乳首はそれでも捏ねられ続け、その子の喉は垂直に立てられ、出ない叫びがそれでも部屋に響くのだ。
男はそんなその子の奥に欲望を放っていた。
男の満足気な呻き声が響く。
だが、また終わることなく、男は動き始めるのだ。
角度を変え、今度は向かいあい、その子の乳首を口で味わいながら。
その子は男の頭を押しのけようとするのに、吸われ舐められ、噛まれる度に感じてしまい、出ない声で泣き叫ぶ。
なのにその腰は男の動きに応えるように動いていた。
少年はその姿に欲情してしまいながら、そんな自分を嫌悪しながら、でも、胸が痛くてたまらない。
だって泣いてる。
望んでない。
どんなに感じていたとしても。
水筒を握りしめた。
でも、待った。
これを渡せる時まで待った。
窓の隙間から覗けば、その子と目が合って、その子の目に生気が宿る。
それだけで全てが報われた気がした。
でも。
そこからも長く、その子が犯され続けるのを見るしかなかった。
そして。
また。
それを見ながらオナニーしてしまう自分を止められなかった。
でも。
やっと。
夜明けにメイドが男に何かを知らせに来た。
ドアの外から「急ぎの連絡があるとの電話です」と言いに来た。
ネットが繋がらないここでは電話にたよるしかない。
男は舌打ちしたが、電話があるのは余程のことなのだろう。
その子から自分を引き抜いて、ガウンを羽織った。
離れる前にその子にキスして出ていく。
ずっと泣いてるその子に。
「何故まだ泣く。お前だって気持ち良いだろうに」
そんなことさえ言った。
男には分からないらしい。
閉じ込め、舌を切り取り、犯し続けているくせに。
だからこんなひどいことが出来るのだ。
少年は男を憎んだ。
男が離れたから、少年は窓を開けて忍びこんだ。
その子はベッドから少年に飛びついてきた。
男の精とその子の精で汚れた身体のまま。
少年はその子を抱きしめる。
待っててくれたのだ。
信じて待っててくれたのだ。
それが分かって愛しかった。
今度のキスはどちらからしたのかわからない。
男の精液の味がしたが、少年は気にしなかった。
この子がされたことに、何一つこの子を貶めるものはない。
酷いことだとあの男を責めることはあっても。
少年は水筒を渡す。
その子は震える指でそれを受け取った。
2人は目を合わせて微笑んだ。
でもここからどうなるかは少年には分からなかったのだ。
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