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第13話
身体を動かす力などもうないと思ってたのに。
あの子が愛してくれる指一本や唇に身体は反応していく。
あの子は少年に乳首で感じることを教えてくれた。
唇と指と歯で、あの子はそこがもう1つのペニスである事を教えてくれた。
疲れ果てて勃起すること等ないと思っていたペニスが、ガチガチに硬くなり、痛むほどに勃っている。
それをあの子は自分のペニスと擦り合わせて、手でも扱いてくれた。
あの子のペニス。
何度も夢に見た。
男がしたようにそれを指で苛め、口で可愛がりたいとまで思ったそれは、自分のモノと重ね合わせられ、あの子の綺麗な指で自分のモノと扱かれる。
思うだけでも、あの子に悪いと思っていたのに、あの子が少年を求めてくれたから、少年は泣いて喜んだ。
そして、生まれて初めての他人の手。
それがあの子の手だから。
その手に狂った。
だめっ
ああっ
そんな・・・
こわいっ
ああっ!!!
わけが分からず叫ぶ少年をあの子は愛しそうに見つめ、何度もキスをして、少年をイカせた。
そして、あの子はまだ達してなかった。
切れ目からそびえ立つそれを、少年の口元に近づけた。
どんな少女よりも美しいその子についている、いやらしいペニス。
少年はそれを舐めることを妄想していたから、自分から口を開けた。
でも。
その口の中を可愛がられたのは少年の方だった。
口の中をあの子のモノで擦られた。
何故か気持ち良いと思った。
喉までふさがれたのに。
口の中に広がる味、その甘さ。
官能的で脳まで痺れるその味。
あの男が何度何度も飲まずにはいられなかった理由がわかる。
苦しいのに甘くて
口の中も喉も身体がヒクヒクするほど気持ち良い。
頭を押さえつけられ、喉を犯されているのに、少年はまた勃起して、射精していた。
そして何より。
あの子のペニスが喉に精液を放って、それを飲み干した時。
苦しさとそして快感と共に、身体に力が沸き起こるのがわかった。
足の裏の潰れたマメが、皮膚ごと再生していくのも。
あの男が何日もぶっ通しであの子を犯せた理由も。
あの子の精は本当に、人間に力を与えるのだ。
あの子が自分にこうした理由もわかった。
疲れ果てた自分を。
助けようとしてくれたのだ。
それは。
少し。
悲しくて。
ちょっと泣いてしまった。
欲しがられたわけじゃないんだ。
と思ってしまって。
泣き出した少年にその子は驚いたようだった。
その子にしてみれば当然だ。
助けてくれただけだから。
だから少年は泣き止まないと、と思った。
その子は何も悪くない。
だけど、泣いてしまって。
その子が笑った。
しばらく少年をじっと見ていた後。
愛しげに。
そして、少年の放った精液を手に取り、少年の後ろの穴へとそれをそこに擦り付けていく。
「良いんだ、もう元気になったから、良いんだ。そんなことしなくて!!」
少年は言う。
涙を自分で拭いながら。
欲しがられないのは仕方ない。
そういうのじゃない。
でも、その子は悪戯っぽく笑うと、もう復活しているペニスを少年に握らせた。
それはどくどく脈打ち、もっと欲しいと言っているようで。
その欲しいのは少年なのだと、その子の目が言っていた。
少年は今度は嬉しくて泣いて、自分から脚を広げ、あの子の指がその穴を可愛がってくれるのを持ちわびた。
あの子の精液を飲んだ身体は、熱くて、敏感で、そして柔らかくほぐれていて、あの子の綺麗な指を少年の穴は喜んで受け入れていた。
穴が指で広げられるだけで、吐息が出た。
こんなことで気持ち良いのは、あの子の精のせいだと分かっていた。
でも、男である自分が、女みたいに喘ぐことの恥ずかしさもあった。
でも。
でも。
その子に欲しがられていることに、嬉しくて堪らなかった。
その子がキスしてくれた。
何度も髪を撫でながら。
夢中でその子にしがみつく。
指は少年の後ろの穴も、性器だったのたと教えてくれた。
後ろを広げれる快感と、中を指で擦られる快感を知り、さらにもっと気持ち良くなれる場所をその子のゆびは教えてくれた。
だめ
だめぇ
気持ちいい
だめえ
気持ち良すぎてそんなふうに叫び、泣きながら中だけでイカされたのはすぐだった。
その子とするセックスは、少年が知ってたセックスとは何もかも違って。
指の代わりにペニスが宛てがわれた時には、それを早く挿れてほしいとしか、少年は思えなかった。
優しく何度もキスされた。
その子の目は、青かった。
男に犯されていた時の青さとは違った。
優しい青。
海の色。
少年は強請った。
その子に自分の中に入ってきて欲しかった。
だって。
その子は明日には海へかえってしまうから。
「頂戴!!」
宛てがわれたペニスを欲しがり自分から尻を振った。
今夜だけ。
今夜だけ。
この子は少年だけの人魚。
今だけは。
自分を欲しがってくれている。
あの子は。
一度もあの男は欲しがらず、望まなかった。
でも。
少年のことは。
ほしがってくれてる。
あの子が笑った。
綺麗な綺麗な。
胸が痛むような笑顔で。
貫かれる痛みすら。
愛しかった。
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